急速凍結フリーズレプリカ法を駆使した細胞内蛋白質の構造ゲノミクス手法の開発と応用
Project/Area Number |
15011212
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
片山 栄作 東京大学, 医科学研究所, 教授 (50111505)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 祐二 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (60223195)
|
Project Period (FY) |
2003 – 2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥5,100,000 (Direct Cost: ¥5,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥5,100,000 (Direct Cost: ¥5,100,000)
|
Keywords | 急速凍結電子顕微鏡法 / 3次元像再構成法 / コンピュータ・シミュレーション / 生物分子モーター / X線結晶回折 / 「レバーアーム首振り」説 / サブドメイン / 高性能顕微鏡用標識 |
Research Abstract |
本課題では、急速凍結電子顕微鏡法を用いて様々な材料に適用できる3次元構造解析法を開発し、溶液中あるいは細胞内において機能遂行中の蛋白質複合体の構造解析に応用することを目標とする。フリーズ・レプリカ試料を対象とする3次元再構成法はほぼ完成し、現在、ネガティブ染色や樹脂包埋切片に対象を拡張すべく改良中である。原子構造が判明している蛋白質を含む試料の場合には、観察されるべきレプリカ像をコンピュータ・シミュレーションにより予測し、それを実際に得られた像と比較して微妙な構造変化を定量的に評価する方法を開発している。実際の材料への応用として、まず、生物分子モーター、アクトミオシン系の機能中の構造を解析した。硬直複合体におけるミオシン頭部は、X線結晶回折のデータから予測されているものとほぼ同等の構造を示したが、滑り運動中には、「レバーアーム首振り」説により予測される分子の屈曲は見られず、むしろ逆方向に曲がるものが大多数であった。そのような構造がADP存在下で2価性試薬により架橋したミオシン頭部の形状に酷似することを見出し、それらの表面の凹凸プロファイルをシミュレーション画像のパターンマッチングにより定量的に比較した。両者は良く一致しており、ミオシン頭部が予想と逆方向に屈曲していることは確実である。他の結果も含め、これまでに観察したすべての構造データを取り込んで、滑り運動の作動機構に関する新たな作業仮説を構築した。現在、それを実験的に検証する手段を検討中である。一方、細胞内構築の表面における特定の分子やそのサブドメインの局在部位をレプリカ試料の視野内で示し、同時に生きた細胞中におけるその分子の動態を蛍光顕微鏡で追うために,高性能の顕微鏡用標識の開発を進めてきた。すでにその分子設計と標識の基本部分の発現は完了している。現在、その先端にさまざまな結合モジュールを融合した蛋白質を作成中である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(7 results)