エチルニトロソウレアによるメダカ変異体の収集に基づく胸腺器官形成機構の解析
Project/Area Number |
15011240
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
高濱 洋介 徳島大学, ゲノム機能研究センター, 教授 (20183858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩波 礼将 独立行政法人理化学研究所, 免疫系発生研究チーム, 研究員 (10360504)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2003: ¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
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Keywords | Tリンパ球 / 細胞分化 / 胸腺 / rag1 / エチルニトロソウレア / メダカ |
Research Abstract |
ヒトを含めた脊椎動物の免疫システムの中枢を担うTリンパ球の成熟は胸腺で起こる。しかし、Tリンパ球の成熟支持能に至る胸腺器官形成の分子機構は殆ど不明である。私たちはこれまで、エチルニトロソウレア処理による変異導入によって、メダカを対象にした胸腺形成変異体をゲノム網羅的に作製してきた。本研究では、これらの変異体を用いて胸腺の器官形成をつかさどる遺伝素因を網羅的に解明することを目的に実験を行った。 まず、エチルニトロソウレアによりランダムに誘発した突然変異をホモ接合に持つメダカ胚を作成し、胸腺に発現するrag1遺伝子プローブを用いて後期胚胸腺を可視化検出することで、胸腺形成変異体の大規模スクリーニングを行った。これまでにメダカ全ゲノムの約60%をカバーする538のF2ファミリーをスクリーニングすることにより、胸腺形成に特異的な異常を示す変異体系統を22得た。そのうち表現型がより胸腺発生に特異的な10系統の変異体に関して、胸腺発生の何れの段階に異常が見られるのかを細胞系譜特異的遺伝子発現パターンの解析によって明らかにした。また、マイクロサテライトマーカーを指標にしたポジショナルクローニングにより原因遺伝子に近づき、BACライブラリーを用いた染色体歩行を行うことで、変異体の原因遺伝子の同定を目指した。 また、野生型メダカおよび表皮の色素形成に異常を持ち臓器の観察に適したメダカSTII系統(名古屋大学若松祐子博士との共同研究)を用いて胸腺の発生過程を明らかにするとともに、リンパ球の活性測定によりメダカのTリンパ球に関する基礎知識を蓄積した。 今後は、既に部分的にクローニングしているrag1遺伝子のゲノムDNA全長を得ることで、rag1-GFPトランスジェニックメダカを作製し、これらによって変異体のTリンパ球成熱と機能異常を解析する。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)