酸化ストレス関連分子の遺伝子多型を基盤とする冠攣縮の病態解明と診断・治療法の開発
Project/Area Number |
15012222
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
久木山 清貴 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (00225129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川端 健一 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助手 (30345706)
長田 満 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助手 (40311691)
梅谷 健 山梨大学, 医学部附属病院, 講師 (40262654)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥5,400,000 (Direct Cost: ¥5,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥5,400,000 (Direct Cost: ¥5,400,000)
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Keywords | 酸化ストレス / NO / グルタチオン / 遺伝子多型 / 血管内皮細胞 |
Research Abstract |
[背景]本研究者らは今までに、喫煙者では生体内の酸化ストレスが増強しており酸化ストレスに伴う酸素ラジカルが血管内皮NOを不活化し、血管の収縮性を亢進させることによって冠動脈疾患の発症につながることを明らかにしてきた。グルタミン酸システインリガーゼ(glutamate-cysteine ligase,GCL)は、血管細胞を含めた多くの哺乳動物細胞での抗酸化防御機構において、欠くことのできない役割を果たすグルタチオン(GSH)合成の律速酵素である。我々はGCL遺伝子における遺伝子多型がGCL遺伝子発現増加とGSH生成を抑制し、心筋梗塞の遺伝的危険因子となっていることを最近明らかにした。[目的]生体内の抗酸化ストレス作用に重要なグルタチオンの産生の律速酵素であるGCL modifier subunit (GCLM)における遺伝子多型が喫煙によって生じる冠動脈トーヌス亢進に影響を与えるかどうかを検討した。[方法]156例の胸痛症候群例において、通常の診断的冠動脈造影時に冠動脈内にアセチルコリンを注入し、太い冠動脈の内径(Quantitative Coronary Angiography)および冠血流量(フローワイヤーテクニック)の変化を測定し、太い動脈および抵抗血管レベルでのアセチルコリンに対する冠動脈内皮依存性拡張反応を検討した。一部の症例ではNitric Oxide Synthase (NOS)阻害剤であるN^G-monomethyl L-arginine (L-NMMA)を冠動脈内に注入し冠動脈径の変化を観察することで、冠動脈内皮NO活性を調べた。計測した冠動脈径および冠血流量に対する喫煙およびGCLM遺伝子多型(-588C/T)の影響を検討した。[結果]GCLM遺伝子における-588T遺伝子多型は、冠動脈内皮NO活性を低下させることで冠動脈の太い部分および抵抗血管レベルでの内皮依存性拡張反応を低下させた。GCLM遺伝子多型の存在は喫煙者における冠動脈内皮依存性拡張反応の低下を増強した。一方、非喫煙者においては有意な影響を与えなかった。[結論]喫煙者において、GCLM遺伝子多型は冠動脈トーヌス亢進をさらに増強することで冠攣縮に対する疾患感受性を高めている可能性がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)