解毒・排出系の遺伝子多型に基づく薬剤応答・副作用の予測
Project/Area Number |
15012240
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松崎 彰信 九州大学, 医学部, 教授 (90238999)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 守正 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (20220965)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
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Keywords | オーダーメード医療 / ABCトランスポータ / 副作用 / MRD遺伝子 / MRP遺伝子 / 白血病 / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
薬効および副作用発現の遺伝的背景を把握し、個人に最適化されたオーダーメード治療の確立により治療効果の向上や副作用の軽減が期待される。本研究では、排出系機構の実体であるABCトランスポータ遺伝子をモデル系とし、遺伝子多型に基づいた薬効および副作用の予測を行った。 (1)遺伝子多型の収集を行った。MDR1遺伝子ではプロモーター領域6か所を含む8か所の多型を同定した。MRP2遺伝子ではエキソンに4か所、イントロンに6か所、プロモーター領域に10か所の多型を同定した。 (2)MDR1およびMRP2遺伝子プロモーター領域の多型と遺伝子発現量に相関を見いだした。 (3)小児急性リンパ性白血病患者において、MDR1およびMRP2遺伝子多型と既知の予後因子・治療効果・抗がん剤の副作用との関連について解析した。MDR1遺伝子多型-2352 G>Aについて白血病診断時年齢・メソトレキセート投与後の血清ビリルビン値との間に有意な相関を認めた。また、ディプロタイプ別の解析では、mRNA発現量が少ないディプロタイプほど予後が良い傾向にあり、ディプロタイプと予後との関連が示唆された。MRP2遺伝子においては、3972 C>T多型と白血病表面マーカー・メソトレキセート投与後の血清ビリルビン値との間に有意な相関を認めた。また本多型において、mRNA発現量が少ない変異型アレル(T)が、診断時白血球数<1万/μl(予後良好因子)と相関する傾向にあった。 本研究で同定された多型にはこれまでに報告されていない多型がある一方、欧米人において報告された多型が日本人では同定できないなど、多型の頻度に人種差を考慮すべきことが明らかとなった。またABCトランスポータ遺伝子多型と発現量および薬物血中濃度の相関、さらに薬効や副作用発現などの臨床パラメーターとの関連を解析した報告はほとんどなく、小児白血病患児における検討は本研究が唯一のものである。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)