小児癌由来cDNAチップを用いた正常個体発生の遺伝子発現ネットワークの網羅的解析
Project/Area Number |
15012254
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
大平 美紀 千葉県がんセンター, 生化学研究部, 研究員 (20311384)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川原 章 千葉県がんセンター, 生化学研究部, 部長 (50117181)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥7,000,000 (Direct Cost: ¥7,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥7,000,000 (Direct Cost: ¥7,000,000)
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Keywords | 神経芽腫 / 肝芽腫 / 個体発生 / DNAチップ |
Research Abstract |
本研究では、発生初期の神経芽細胞や肝細胞、腎細胞の発生分化に関わる遺伝子群の同定と解析を目指し、小児癌由来遺伝子を搭載したチップの作製と、神経芽細胞が交感神経系へ分化成熟する過程で働く転写因子群およびWntシグナル等に関わる遺伝子群の遺伝子発現ネットワークの解明を目的としている。本年度は以下を行った。 1)遺伝子発現系の作製と神経芽腫由来チップを用いた網羅的発現解析 アデノウイルスベクターに組み込んだMASH1、Phox2a,Phox2b遺伝子を神経芽腫細胞株に導入し、ノザン解析及びRT-PCRによる経時的な発現誘導を確認した。MYCN遺伝子については、テトラサイクリン除去によりMYCNが発現誘導される神経芽腫細胞株を用い、これまでに作製した神経芽腫由来の約5000種類の遺伝子を搭載したチップを用いてハイブリダイゼーションを行った。同定された候補遺伝子の半定量RT-PCRおよびノザン解析にてチップ解析の再現性を確認した結果、少なくとも3つのMYCN下流遺伝子の候補を同定した。さらに、神経芽腫の予後良好群と不良群の間で顕著に異なる発現を示す300以上の遺伝子群も同定した。これらは、神経堤細胞の分化成熟に何らかの関与をしている可能性が考えられた。また、これらの遺伝子から神経芽腫の腫瘍の個性と相関する遺伝子の候補をクラスタリング解析等により同定し、ランキングを行った。これらは神経芽腫の悪性度を予測する良いモデルケースになると期待された。 2)肝芽腫チップの作製と腎芽腫遺伝子ライブラリーの作製 β-cateninに変異がある肝芽腫、変異のない肝芽腫、及び非癌部の3つを出発材料として合計約12,000cDNAクローンからなる遺伝子ソースを調製し、約5,000の独立遺伝子のチップ作製を行った。また、半定量RT-PCRによる癌部と非癌部の間で発現に差のある遺伝子のスクリーニングを行い、約80の遺伝子を同定した。さらに、腎芽腫の腫瘍および非癌部から12,000クローンのcDNAを蒐集し、両端塩基配列決定を終えた。
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Report
(1 results)
Research Products
(13 results)