古細菌ゲノムに散在する可動性イントロンの集団内伝播と進化のダイナミクス
Project/Area Number |
15013229
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野村 紀通 京都大学, 農学研究科, 助手 (10314246)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 古細菌 / ゲノム多型 / イントロンホーミング / 遺伝子水平伝播 / ホーミングエンドヌクレアーゼ / 利己的遺伝子 / 可動性イントロン / 超好熱菌 |
Research Abstract |
1.古細菌ゲノムに散在する「可動性イントロン」の発見 約60種の古細菌のゲノム比較解析の結果,一部の古細菌イントロンがゲノム間を水平伝播する可動遺伝因子であることを明らかにした.また,可動性イントロンの挿入が頻発するホットスポットはrRNA遺伝子内部の19箇所に限定されること,可動性イントロン挿入パターンは同種内の近縁株間でも著しい多様性があることを明らかにした. 2.イントロン水平伝播の鍵酵素であるLAGLIDADG型ホーミングエンドヌクレアーゼ(HEase)の性状解析 (1)古細菌ゲノムに散在する可動性イントロン内部にORFを見いだし,これらの産物がLAGLIDADGファミリーに属する部位特異的二本鎖DNA切断酵素であることを実験的に明らかにした.19種の新規な認識配列をもつ酵素を同定し,I-ApeI,I-ApeII,I-PogI,I-Tsp061I等と名づけた.いずれも14〜22bpの長さの偽回文配列または非回文配列を認識するレアカッター酵素であることを明らかにした. (2)I-ApeIおよびI-ApeIIの認識配列に一塩基置換を導入してDNA切断活性を検討した結果,これらの酵素が標的配列内の特定の数塩基を厳密に認識することを示した. (3)I-ApeIIは立体構造がフォールドレベルで異なるHis-Cys boxファミリーHEase,I-PpoI(細胞性粘菌Physarum polycephalum由来)と同一塩基配列を認識するイソシゾマーであった.塩基置換基質に対する切断効率の違いから,イソシゾマー間で基質認識様式が異なることを示した. (4)I-PogIの認識配列の特徴から,このHEaseをコードするイントロンの転移機構として,近傍に挿入されている別のイントロンと同時に転移する"co-homingモデル"を提案した. (5)I-Tsp061Iの結晶について空間群R32,格子定数a=b=95.4Å,c=192.2Å,到達分解能2.3ÅのX線回折データを得た.多波長異常分散法によって精密立体構造を解析することに成功し,DNA結合表面の構造要素を特定した.
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)