Project/Area Number |
15016012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤野 貴広 東北大学, 遺伝子実験施設, 助手 (40292312)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
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Keywords | アルツハイマー / リポタンパクレセプター / アポE / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
リポタンパク受容体のリガンドであるアポEは古くからアルツハイマー病発症と密接に係わっていることが知られ、アポEの3つあるアイソフォームの一つであるアポE4はアルツハイマー病の危険因子として知られている。しかし、脳内における機能は殆ど解っていない。本研究は脳におけるリポタンパク受容体の機能解析を通して、脳神経系におけるアポEの役割やアルツハイマー病との関連を明らかにすることを目的としている。 アポEの脳内における機能を解析する目的で、アポE/VLDLR/ApoER2を欠損するトリプルノックアウト(TKO)マウス又はLDLR/VLDLR/ApoER2を欠損するトリプルノックアウト2(TKO2)マウスを作製した。TKO及びTKO2マウスではDKOマウス(VLDLR/ApoER2)に比べ、明らかに海馬の層構造形成異常が亢進していた。DKOマウスの約20%は生後3ヶ月以上生存するが、TKO及びTKO2ではほぼ4週間以内に死亡する。これらマウスの直腸温の解析から、TKO及びTKO2マウスに見られる低生存率は著しい体温の低下によるものであることが示唆された。TKOやTKO2マウスでは他の遺伝型を持つマウスと比較して著しく高い血中コレステロール値を示したが、血中リポタンパクの解析から、これらのマウスに見られる高コレステロール血漿は脳形成の異常によるものではないことが示された。VLDLR(+/-)/ApoER2(-/-)マウスでは海馬CA1領域及びCA3領域のリボン部分の錐体細胞層が2層に分離しているが、アポEがさらに欠損する(ApoE(-/-)/VLDLR(+/-)/ApoER2(-/-))ことで錐体細胞層が1層に回復した。一方小脳や大脳皮質においては、アポEの有無による違いは全く見出せなかった。これら結果は、アポEがCA1領域及びCA3領域の錐体細胞に局在するVLDLRに特異的に結合していることを示した。また、LDLR/ApoER2マウスの解析から、LDLRはVLDLRやApoER2に比べ弱いながらも大脳皮質と海馬に於いてreelin受容体としても機能しているが、アポEに対する受容体としての機能は見出せなかった。一方、リポタンパク受容体を欠損した海馬ニューロンにおける血清β-VLDLの取り込みは、VLDLR欠損ニューロンではコントロールと比較して変化はなく、むしろLDLR欠損ニューロンで著しく減弱していた。現在、ヒト・ApoE2、E3又はE4のcDNAを組み込んだアデノウイルスを作成し、これらをApoEノックアウトマウスより調製したアストロサイト初代培養系で発現させ、この培養上清から調製したApoE-HDLの神経細胞への取り込みや神経細胞に対する毒性を検討している。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)