Budget Amount *help |
¥7,000,000 (Direct Cost: ¥7,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥7,000,000 (Direct Cost: ¥7,000,000)
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Research Abstract |
(1)運動中のヒト腕のインピーダンスとタスクのパフォーマンスとの関係を明らかにした.被験者に単関節二点間平面運動を行ってもらい,その運動軌道と表面筋電信号(EMG)を測定した.EMGからスティフネスを計算し,運動精度との関係を調べた.その結果,運動終端での精度を要求したとき,スティフネスが上昇する傾向が見られた.また,スティフネスを変化させたとき,EMG,トルク,軌道のばらつきは増加したが,終端位置のばらつきは増加傾向を示さなかった.また,スティフネスとEMGのばらつきとの相関は高いが,トルク,軌道のばらつきとの相関は低く,終端精度に関しては相関はほとんどないか,弱い負の相関となった.スティフネスとともに増加する軌道のばらつきは,運動指令の増加に依存して神経信号ノイズが増加したことを示すと考えられる.その中で終端位置の誤差が増加せず,むしろ負の相関が得られたことは,スティフネスの増加がノイズの終端精度への影響を抑えていることを示し,運動指令から軌道へ変換される過程において徐々に影響がなくなっていくことを示唆している. (2)等時性に関してダイナミクスを内在した運動計画の計算理論からの説明を実験的に試みた.我々は,順序的運動を経由点によってセグメントしたときに,セグメント間の近似運動指令の滑らかさの時間平均が等しくなるように,セグメントの運動時間を決定すると,運動時間をあらかじめ制約することなしに,運動指令を滑らかにするような軌道が生成されることを明らかにしている.本研究では被験者実験において,大小異なる大きさの2つの円から構成される8の字を生成する運動を解析した.結果,大小の円を生成する際の時間平均近似運動指令の滑らかさの方が,単なる運動時間の比よりも1に近くなる傾向が確認され,ヒト軌道生成における時間平均近似運動指令の滑らかさの考慮が示唆された.
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