HGFおよびそのフアミリー因子の作用分子機構の解析と神経変性疾患への適用
Project/Area Number |
15016066
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
船越 洋 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (40273685)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
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Keywords | HGF / c-Met / 神経変性疾患 / 筋萎縮性側索硬化症(ALS) / トランスジェニックマウス / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
[目的] 神経変性疾患の原因遺伝子の解明が著しく進む一方で、その治療法は今だ模索の状態である。神経変性疾患は、いずれも最終的には神経細胞と神経線維の変性・脱落を共通病態とすることから、これまで神経細胞死を阻止することが主な研究目標とされてきた。一方で、最近筋萎縮性側索硬化症(ALS等では、原因変異遺伝子を神経細粒もしくはグリア細胞どちらかに特異的に発現させても疾患が発症しないことから、疾患の進行には神経細胞に加えグリア細胞も重要な機能を担うことが明らかとされた。本研究では、神経細胞に加えグリア細胞、血管内皮細胞等多彩な細胞に機能を示す新しい神経栄養因子(HGF)の神経変性疾患における機能解析とその作用分子機構の解析およびその適応研究を目的とした。また、HGFのファミリー分子(HLP)やLIMKinaseの神経系における機能解析をKOマウス等を作成し進めた。 [方法・結果・考察] (1)ALSにおける機能解析とその適用研究:HGFはこれまでの治療実験報告に比べ発症時期を遅延させ寿命を大幅に延長することを報告したが、durationに対する効果は不明であった。そこで今回特に発症から死亡までの時間(duration)に注目し、HGF遺伝子をALS-Tgの神経系に特異的に発現させた際の効果を解析した。その結果、durationに最も密接に関連するとされるactive caspase-9の運動ニューロンへの誘導をHGFが抑制できることが明らかとなった。したがってHGFを発症後も効率良く発現させ続けられれば、HGFはdurationをも延長し寿命をさらに延長できる可能性が示唆された。また、HGF蛋白質についてもALS-Tgの神経細胞死を抑制しALS-Tgの寿命を延長できることを明らかとした。現在HGF蛋白質に加えてHGF遺伝子発現ウイルスベクターを用いて解析中である。(2)薬剤誘導性パーキンソン病におけるHGF/c-Metの解析:HGFおよびc-Metがパーキンソン病で重要な細胞群で発現制御を受けることを明らかとした。(3)他の神経変性疾患に対するHGFの機能解析:神経変性疾患モデルマウスとHGF-Tgとのダブルトランスジェニックマウスの作成もしくは、HGF蛋白質や複数のHGF発現ウイルスベクターを用いてHGFの機能解析およびその作用分子機構の解析を継続している。(4)HLPの機能解析:HLPのグリア細胞における各種サイトカイン発現制御におよぼす効果をin vitroで解析した。その結果、HGFは従来報告した神経細胞に対する直接神経栄養作用や細胞遊送促進作用に加え、グリアにおけるサイトカイ発現調節を介し神経系のリモデリングに寄与すると示唆された。(5)LIMK2 KOマウスを作成し、LIMK2の神経細胞死に対する機能を明らかとした。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)