Project/Area Number |
15016071
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柴田 昌宏 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10343253)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2003: ¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
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Keywords | アルツハイマー病 / β-セクレターゼ / BACE |
Research Abstract |
BACEはAβの産生に関与する重要なアスパラギン酸プロテアーゼ(β-secretase)であり、細胞内でのβ-secretase活性の発現部位やその局在化機構を明らかにすることはアルツハイマー病の発症機序の解明のみならず治療においても重要な意義を持つ。BACEはトランスゴルジ網(TGN)で選別され,細胞膜まで小胞輸送される。BACEの局在化には24残基からなる細胞質ドメインが必須である。これまでの研究から、BACEの細胞質ドメインにはGGA(Golgi-localizng,gamma-adaptin ear homology domain,ARF-interacting)と結合する酸性クラスターdileucineシグナルがあり、BACEがTGNとその近傍に局在することに関与し、同シグナル内のSer498のリン酸化がGGAとの結合を制御していることも示唆されてきた。今回、我々は、BACEの細胞質ドメインとGGA1のVHSドメインとの結合様式を調べた。HeLa細胞で、BACEとGGA1との共局在を調べたところ、核周囲のゴルジ領域とその近傍の点状構造物で共存することが分かった。Brefeldin Aで同細胞を処理すると、BACE陽性のチューブ状構造物がTGNから進展した。すなわち、BACEの輸送はARF依存性に調節されていることを示唆している。次に、BACEの細胞質ドメインペプチドとGGA1のVHSドメインをBIACOREで解析したところ、結合定数(Kd)が0.83μMであることが分かった。また、Ser498のリン酸化によって両者の結合力が2倍以上(Kd=0.32μM)に上昇することも分かった。さらに、両者の結合様式をX線結晶構造解析(解像度1.9Å)により調べた結果、両者の結合は、リソソーム酵素をTGNからリソソームへと選別輸送するMPRとGGAとの結合様式と類似していた。その解析から、BACE-tailのSer残基とLys残基は溶媒面に向くことが分かり、BACEの細胞質ドメインのSer残基がリン酸化されると、Lys残基やペプチド骨格が水素結合の数を増加すること、また、GGA1のVHSドメインとの静電気結合を増強することにより、両者の親和性が不可逆的に増加する可能性が示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)