ポリグルタミン病の変性蛋白質核内移行制御因子の解析
Project/Area Number |
15016074
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
柳 茂 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60252003)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
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Keywords | ポリグルタミン病 / CRAG / 小胞体ストレス / GTPase活性 / 活性酵素種 |
Research Abstract |
ポリグルタミン病は原因遺伝子の同定により新たに提唱された疾患群で、原因遺伝子の翻訳領域内にあるポリグルタミンをコードするCAGリピートが、患者において特異的に伸張していることが明らかにされた疾患群である。現在、ポリグルタミン鎖をもつ変性蛋白質が神経細胞内に核内封入体を形成して、神経細胞に対して障害性を引き起こすことが疾患発症機構に密接に関与していると考えられているが、ポリグルタミン変性蛋白質がどのようなメカニズムで核内に移行するのか全く不明である。私たちは神経回路網形成過程を制御する分子群の探索過程において、新規の神経特異的核内GTP結合蛋白質CRAGを同定した。CRAGは様々なストレスにより発生する活性酸素種に応答して、核内に移行して独特の核内封入体を形成することが示された。ポリグルタミン病との関連を調べた結果、CRAGはポリグルタミン変性蛋白質により生じる小胞体ストレスに伴って発生する活性酸素種に応答して活性化することが示された。また、CRAGは結合するシャペロン分子を介してポリグルタミン変性蛋白質を認識し、核移行シグナルを介してポリグルタミン変性蛋白質の核内移行を促進した。さらにCRAGは核内封入体を形成しGTPase活性を用いて、ユビキチン化を誘導し、プロテアソーム系による分解機構に関与していることなどが示された。実際に、Machado-Joseph病患者脳においてCRAGの異常集積が見いだされている。以上の結果より、CRAGはポリグルタミン病の変性蛋白質核内移行制御因子および消去因子である可能性が強く示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
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