貫通路信号の時間空間関係の海馬におけるコーディング
Project/Area Number |
15016084
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
林 初男 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 教授 (00108664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 孔志 九州工業大学, 情報科学センター, 助手 (90346867)
立野 勝巳 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 助手 (00346868)
石塚 智 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 助教授 (40124804)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥4,900,000 (Direct Cost: ¥4,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥4,900,000 (Direct Cost: ¥4,900,000)
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Keywords | 海馬 / CA3領野 / ダイナミカルパターン形成 / CA1領野 / 時空応答 / 歯状回 / 神経回路モデル / バンドパスフィルタ特性 |
Research Abstract |
[海馬神経回路網モデルにおける時間的順序関係を表現する神経細胞の形成] 海馬CA3領野は、多くの反回性結合が存在することから、自発的時空活動を起こす。また、CA3領野のシナプスは発火タイミングに依存した可塑的変化(STDP)を起こすことが知られている。本年度は、海馬CA3神経回路網モデルを用い、入力信号によってニューロン活動のダイナミカルなパターンが形成されることを明らかにした。このダイナミカルパターンの形成により、入力信号の時間情報を空間情報に変換できた。さらに、CA3領野のダイナミカルパターンに基づいたシャファー側枝シナプスの強化によって、入力信号の時間空間関係を表現するニューロンをCA1領野に形成できる、予備的結果を得た。 [貫通路刺激のタイミングに依存したラット海馬CA1領野の応答の記録] ラットの新皮質を除いて露出させた海馬CA1領野から時空応答を記録するため、angular bundleを刺激する電極として、先端を電解研磨し、ガラスコートしたエルジロイ線を2本用いた。Angular bundleを限局して刺激するため、ガラスコートされていない先端の長さを25μm、直径を数μmにし、また、CA1領野から良好な時空応答を記録できる刺激位置2ヶ所を決めるため、刺激電極の間隔を700μmに保ったまま、独立に上下できるようにした。その結果、現在、CA1領野の応答の時空CSD解析ができるようになった。 [ラット歯状回(切片試料)と歯状回神経回路モデルのフィルタ特性] 歯状回は海馬の入力層に当たり、貫通路信号の時間空間関係の海馬におけるコーディング機構を考えるとき、大事な部位の一つである。実験には海馬切片を用い、貫通路を周期刺激して歯状回顆粒細胞層から電場電位を記録した。その結果、5〜10Hzの貫通路刺激に対して歯状回顆粒細胞層は最もよく応答し、バンドパスフィルタの性質をもっていることを明らかにした。一方、神経生理学的知見に基づいた歯状回の基本神経回路モデルを作った。バスケット細胞を介するフィードフォワード抑制と顆粒細胞からバスケット細胞を介したリカレント抑制が10Hz以上の信号を抑制し、苔状細胞からバスケット細胞への投射が5Hz以下の信号を抑制した。その結果、3〜10Hzの信号を通すバンドパスフィルタの性質を再現できた。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)