骨髄間質細胞からの選択的な神経細胞誘導法の確立とパーキンソンモデルへの移植応用
Project/Area Number |
15016091
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
出沢 真理 京都大学, 医学研究科, 助教授 (50272323)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 幹細胞 / 再生医学 / 間葉系幹細胞 / 神経誘導 / 分化転換 / パーキンソン病 / 移植 |
Research Abstract |
骨髄間質細胞は採取が容易で培養下にて旺盛に増殖し、倫理的な問題が無い。また免疫拒絶の無い自家移植系の確立が可能である。本研究においては神経系の発生分化に関与するNotch遺伝子の導入とサイトカイン刺激を加えることでほぼ全細胞が選択的に神経細胞に分化する方法を見いだしたので報告する。【結果】ヒトおよびラットの骨髄間質細胞において、Notch細胞内ドメインの遺伝子を導入することによって神経幹細胞様に分化転換することを見いだした。遺伝子導入された細胞は神経幹細胞に特異的なマーカーを発現しpromoter解析においてもそれらの因子の活性が有意に上昇していた。これらの神経幹細胞様に分化転換した骨髄間質細胞にある特定のサイトカイン刺激(bFGF,Forskolin,CNTF)を与えると96〜98%という非常に効率の高い選択的な神経誘導が引き起こされる。誘導された神経細胞は神経マーカーを発現しておりBrd-Uの実験から分裂を終えたpost-mitotic neuronであることが確認された。またパッチクランプ実験においてpotasium currentが計測されに神経細胞であることが示唆された。RT-PCR,luciferaseアッセイ、ウェスタンブロット、免疫組織化学の解析を用いて調べた結果、この最終産物にはグリア細胞が一切含まれておらず、神経細胞だけで最終産物が構成されていた。これらの神経細胞にさらにGDNFを投与することによってTH-陽性細胞が40%近くに増加し、これらの細胞をパーキンソンモデルラットの線状体に移植したところ、apomorphin誘導の回転運動、paw reaching test, adjusting step testにおいて顕著な改善を示した。また脳内でドーパミンを産生し顕著な症状改善を認めた。神経誘導のメカニズムを調べた結果ankyrin repeatsドメインに神経誘導活性の中心があることが分かった。【考察】グリア分化因子とされてきたNotch遺伝子が、神経系とは全く異なる間葉系の骨髄間質細胞に導入すると神経分化に働いたという結果を得た。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)
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[Publications] Ohta M, Suzuki Y, Noda T, Ejiri Y, Dezawa M, Kataoka K, Chou H, Matsumoto N, Iwashita Y, Mizuta E, Kuno S, Ide C: "Bone marrow stromal cells infused into the cerebrospinal fluid promote functional recovery of the injured rat spinal cord with reduced cavity formation."Exp.Neurol.. (in press).
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