皮質脊髄路シナプス形成とその可塑性:活動依存性・臨界期・シナプス競合
Project/Area Number |
15016097
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
桜井 正樹 帝京大学, 医学部, 教授 (30162340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 仁士 帝京大学, 医学部, 助手 (20349252)
吉岡 昇 帝京大学, 医学部, 助手 (20365985)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥4,100,000 (Direct Cost: ¥4,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥4,100,000 (Direct Cost: ¥4,100,000)
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Keywords | 皮質脊髄路 / 発達 / シナプス可塑性 / NMDA受容体 / シナプス除去 / 活動依存性 / スライス培養 / 幼若ラット |
Research Abstract |
我々は皮質脊髄シナプスをin vitroで再構築することを試み、大脳感覚運動皮質と脊髄のスライスを共培養することによってこれに成功した。この系ではフィールドEPSP(fEPSP)を脊髄から100μmの格子状に記録することにより、シナプス形成とその空間分布を定量的に評価できる。またバイオサイチン等による順行性標識により皮質脊髄線維終末の分布を観察できる。主としてこの方法を用いて、以下のことを明らかにした。(1)14DIV以降では皮質脊髄シナプスはin vivoとほぼ同様に脊髄背側に分布する。(2)この発達過程を追うと、7DIV頃には脊髄全体に分布するが、9DIVごろから腹側のシナプスが刈り取られ、背側へ限局していく。(3)二種類の蛍光ビーズを用いた逆行性標識、及び軸索反射を利用した電気生理実験により、皮質細胞が7DIVでは腹側・背側両方に軸索側枝を送っていたのが、14DIVでは、腹側へ行く軸索側枝が除去されたことが示された。(4)培地中にNaチャネル阻害剤のTTXやNMDA受容体の阻害剤AP-5を加えておくと、この刈り取りは生じなくなる、即ち、このシナプス除去は活動依存性、NMDA受容体依存性である。(5)NMDA阻害剤の添加を5-6DIVで中断したり、13-14DIV以降に添加したりした場合はこのようなシナプス除去は生じない、不可逆過程であること、即ち7-14DIVの間に臨界期が存在する。(6)皮質と脊髄背側-腹側、背側-背側、腹側-腹側という共培養の結果から、脊髄背側-腹側間には皮質からの投射線維を潜在的に競合する関係が存在することが示唆される。 更に、幼若ラットで延髄錐体を刺激し頚髄から皮質脊髄シナプスのfEPSPを記録してその空間分布を調べると、in vitroとほぼ同様、生後7日(P7)では脊髄全体に陰性のfEPSPSが分布しており、P14には腹外側のfEPSPsが陽性となり、この部位からシナプスが除去されていくことが示唆される。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)