三次元視覚情報処理の神経メカニズムの解明-単一ニューロン活動の記録と機能的MRIによる解析-
Project/Area Number |
15016098
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
泰羅 雅登 日本大学, 医学部, 助教授 (50179397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝山 成美 日本大学, 医学部, 助手 (00291906)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥4,100,000 (Direct Cost: ¥4,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥4,100,000 (Direct Cost: ¥4,100,000)
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Keywords | 慢性サル / 立体視 / 絵画的手がかり / 視差 / テクスチャー / 頭頂連合野 / 短期記憶 / 判断 |
Research Abstract |
立体視に関する多くの心理物理学的研究はヒトの三次元知覚における種々の手がかりの役割,すなわち,視差手がかりや線遠近法,肌理の勾配,陰影といった単眼性の絵画的手がかりの重要性を詳しく解析している.面の傾きをコードする視差手がかりには,面全体に分布する「視差の勾配」手がかり,あるいは輪郭部分に生じる「幅視差」「方位視差」などがある.これまでの我々の研究で,サルの頭頂間溝後方部(CIP領域)の面方位識別ニューロンはこの種々の両眼視差手がかりを組み合わせて面の傾きをコードすることが明らかになった.さらに,絵画的な手がかりについて調べたところ面方位識別ニューロンは線遠近法手がかりに反応はするが,それほど強く反応しないこともわかった.一方,絵画的手がかりでも肌理の勾配はGibsonが指摘したように面の傾き手がかりとしてきわめて重要である.面方位選択性ニューロンの肌理の勾配に対する反応性についても調べたところ,絵画的手がかりである肌理の勾配が重要な手がかりであることを明らかにした.本年度はこれらの結果をふまえて,これらの面方位ニューロンが知覚における短期記憶に関係するのかどうか,面の傾きを判断して決定することに関係があるかどうかを,遅延見本あわせ課題を用いて調べた.その結果,82%の面方位ニューロンが遅延期間中に持続的な発火活動を示し,そのうち60%のニューロンで遅延期間中の活動が面方位に対して選択的な反応を示していた.したがってこれらのニューロンは面の傾きの短期記憶に関係していると考えられる.一方,53%のニューロンは刺激が見本刺激として呈示提示されるか,マッチ刺激として呈示されるのか,あるいはノンマッチ刺激として呈示されるのかによってその反応が影響を受けた.このうち73%のニューロンはマッチ刺激かノンマッチ刺激かによって反応が変化したことから,面の傾きを判断し決定することに関係があると考えられた.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)