Budget Amount *help |
¥6,900,000 (Direct Cost: ¥6,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥6,900,000 (Direct Cost: ¥6,900,000)
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Research Abstract |
近年のアルツハイマー病研究の進展により,α-,β-およびγ-セクレターゼがアルツハイマー病の発症に重要な役割を果たすことがわかってきた.これらの酵素はお互いに相関しながらアミロイド前駆体蛋白質(APP)に働き,老人斑の原因となるアミロイドβ-ペプチド(Aβ)の蓄積を起こす.そこで,これらの酵素活性を制御することにより,アルツハイマー病の予防あるいは治療をめざすことを目的として研究を行った. β-セクレターゼ(BACE)はアスパラギン酸プロテアーゼであることが知られているが,この種の酵素には基質遷移状態をミミックした阻害剤が有効であることが,我々の行ってきたレニンやHIVプロテアーゼの阻害剤研究で明かになっている.そこで,野生型APPのβ-セクレターゼ切断部位遷移状態をミミックしたβ-セクレターゼ阻害剤のデザインと合成を行った. 基質切断部位を基にしたオクタペプチドKMI-008(Glu-Val-Leu-Pns-Asp-Ala-Glu-Phe)がβ-セクレターゼ阻害活性を示したので,これをリードとしてオプチマイゼーションを行い,ヒドロキシメチルカルボニルアイソステアとしてフェニルノルスタチン(Pns)を有する小分子型高活性β-セクレターゼ阻害剤KMI-358とKMI-370を合成することに成功した. このうちKMI-370はIC50が3.4nMという高活性を示し,BACEl-HEK293細胞からsAPPβの放出を用量依存的に阻害した.
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