大脳皮質-大脳基底核連関による脳内情報処理機構を探る
Project/Area Number |
15016109
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
南部 篤 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (80180553)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥5,600,000 (Direct Cost: ¥5,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥5,600,000 (Direct Cost: ¥5,600,000)
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Keywords | 大脳基底核 / 線条体 / 淡蒼球 / 運動前野 / 直接路 / 間接路 / 運動野 / 随意運動 |
Research Abstract |
大脳基底核は大脳皮質、特に前頭葉との間でループ回路を形成し、運動の発現や制御に関与している。本年度は、大脳皮質-大脳基底核の神経回路に関して以下の研究を行った。(1)大脳基底核の入力部から出力部に到る経路には、線条体ニューロンが淡蒼球内節に単シナプス性に投射する経路(直接路)、線条体ニューロンが淡蒼球外節と視床下核を経由して淡蒼球内節に至る経路(間接路)、大脳皮質から視床下核への直接投射を介する経路(ハイパー直接路)などが存在すると考えられる。実際、大脳皮質を電気刺激し、淡蒼球内節から神経活動を記録すると、早い興奮・抑制・遅い興奮という応答を示す。本年度は、抑制と遅い興奮の由来について検討した。記録している淡蒼球ニューロンの局所にgabazine(GABA_A受容体拮抗薬)を注入すると、発射頻度が上昇すると同時に抑制が消失した。NBQX(non-NMDAグルタミン酸受容体拮抗薬)の注入では早い興奮と遅い興奮が消失した。また、これら両者を投与すると、一定間隔で発火する傾向を示した。更に、淡蒼球内節で記録しながら、淡蒼球外節にムシモルを注入しブロックすると、遅い興奮が消失した。これらの結果は、抑制は直接路を、遅い興奮は間接路を経由していること、淡蒼球ニューロンは一定周波数で自発発射をする能力を持っていることを示している。(2)運動前野背側部の吻側部(PMdr)の線維連絡を大脳基底核を中心に検索した。まず、PMdrの体部位局在を電気生理学的に調べたところ、上肢領域が主要な部分を占めていた。次に、この領域に標識物質を注入し線条体への投射を調べたところ、尾状核と被殻の移行部に終末していることがわかった。これらの領域には、前補足運動野や帯状皮質運動野吻側部からの投射もあり、PMdrがこれらの皮質領野とともに、運動の高次制御に関わっていることを示している。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)