電子カルテ普及に伴う医療者の診療情報へのアクセスのあり方に関する分析的研究
Project/Area Number |
15017229
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大江 和彦 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (40221121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 隆一 東京大学, 大学院・情報学環, 助教授 (10191462)
山口 泉 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (80345222)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
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Keywords | 電子カルテ / アクセス権限 / 医療情報システム / プライバシー保護 / 守秘義務 |
Research Abstract |
電子カルテが導入された病院では,病院の医療系職員が以前よりも容易にアクセスできる潜在的可能性があり,その結果として患者情報が知ってしまう人の数が増えることが危惧される.これは情報アクセス権限を与えられた守秘義務のある職員による情報アクセスであり,他者への情報漏洩もない場合には法的には問題ないと思われる.しかし,紙のカルテ時代よりも広い範囲の職員に診療情報がアクセスされるという意味で潜在的な問題を含んでおり,我々はここではこのように医療機関内で情報を入手する人が意図せず増えてしまうことを「情報浸潤」とよび,情報漏洩とは区別して取り扱う.我々は,今後の医療情報システムは情報浸潤を制御できる必要があると考え,その視点で情報システムのあり方,アクセス管理のあり方,守秘義務の規定のあり方を検討している.本研究では,電子カルテを導入しつつある大学病院のシステム管理部門担当者に意識調査を行い,情報浸潤を制御する機能の状況について調査した.その結果,その必要性を認めつつも具体的方策を取っていない病院がほとんどであることがわかった.しかし一部にはそのような機能は必要ないという意見もあった.次に著者の医療機関においてある期間の入院経験患者の情報にアクセスした記録を職種別に分析したところ,入院経験患者の71%は12人以上の看護師,同患者の31%は12人以上の医師にそれぞれ情報アクセスされていることが判明した.なかには50人以上の医師にアクセスされている患者もあり,このような患者はどのような診療要因で説明できるかが今後の課題である.
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Report
(1 results)
Research Products
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