細胞性免疫誘導ワクチンの感染初期の防御効果とエイズ発症阻止効果との相関の解析
Project/Area Number |
15019028
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
俣野 哲朗 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (00270653)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
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Keywords | エイズワクチン / 慢性感染症 / SIV / センダイウイルス / 細胞性免疫 / CTL / エスケープ / MHC |
Research Abstract |
本研究では、慢性ウイルス感染症に対するワクチン戦略を検討することを目的として、その代表的感染症であるHIV感染症に対するワクチンについての解析を行なうこととした。HIV感染の抑制においては、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)が重要であることが知られているが、一般の自然感染経過においては、CTLはHIV複製を制御できず、HIVを排除することができない。本研究では、このような元来CTLが制御できないHIVの複製を、ワクチンにより誘導されたCTLが制御することが可能であるかどうかを検証することを目的として、サル慢性エイズモデルにおける解析をおこなった。繁殖用雄サルR90-120の子孫サル6頭に対して、我々がこれまで開発したDNAプライム・Gag発現センダイウイルスベクターブーストウクチンを接種した後、サル免疫不全ウイルス(SIVmac239)チャレンジ実験をおこなったところ、4頭においてSIV複製制御が認められ、チャレンジ後8週目以降の血漿中ウイルス量は検出下限以下となった。6頭のうち、R90-120の一方の組織適合性抗原ハプロタイプを共有する3頭では、全てにおいてSIV複製制御が認められたが、その制御の過程において、ある同じエピトープ特異的CTLが誘導され、そのエピトープ特異的CTLエスケープ変異のみが選択された後、血中SIVが検出下限以下となることが明らかとなった。さらに、このエスケープ変異SIBの複製効率は、Wild-type SIVと比較して低いことが示された。この結果は、そのエピトープ特異的CTLがSIV複製制御に中心的役割を果たしていることを意味しており、ワクチンにより有効なCTLを誘導することができれば、HIV感染初期の複製制御にいたる可能性があることを示している。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)