ガレクチンファミリーを介した自然免疫系の活性化と感染応答の分子基盤
Project/Area Number |
15019071
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
中村 隆範 香川大学, 医学部, 教授 (70183887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東海林 博樹 香川大学, 医学部, 助手 (10263873)
西 望 香川大学, 医学部, 助手 (10145047)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥4,700,000 (Direct Cost: ¥4,700,000)
Fiscal Year 2003: ¥4,700,000 (Direct Cost: ¥4,700,000)
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Keywords | ガレクチン / galectin-8 / galectin-9 / 好中球 / Jurkat / 免疫細胞 / 感染 / インテグリン |
Research Abstract |
ガレクチンファミリーは、βガラクトシドを特異的に認識する動物レクチンで、脊椎、無脊椎動物に広く分布している。しかし、ガレクチン分子種の詳しい組織分布や機能についてはほとんど分かっていない。本研究では、感染応答におけるガレクチンファミリーの役割、中でもタンデムリピート型ガレクチン(galectin-8、9など)を中心に、免疫系細胞の活性化と糖鎖認識を介した情報伝達の分子基盤の解析を行う。我々はこれまで、ヒト末梢血好中球に対するgalectin-8の機能解析を行い、galectin-8の二つの糖認識ドメイン(CRD)のうち、N-末端側CRDはヒト好中球のproMMP-9と結合し、結合したproMMP-9の活性化が促進されることを見い出した。一方、C-末端側CRDは主にintegrinαMと結合して、培養プレートへの細胞接着誘導や活性酸素産生を亢進することを明らにした。以上の結果は、細菌や異物の感染に伴って、生体内のgalectin-8が好中球を活性化し得ることや、感染に伴って起こる炎症や好中球の組織への浸潤の調節にgalectin-8が関与している可能性を示唆している。今年度はさらに、顆粒球以外の免疫系細胞に対する作用を、各種培養細胞を使って調べたところ、galectin-9がJurkat、Molt-4などのT細胞のアポトーシスを、galectin-8はT細胞とともに、Namaluwa、RPMI-8866などのB細胞やTHP-1(単球)、K562(前赤芽球系細胞)などの細胞接着を誘導することも見出した。さらにJurkatをモデルにgalectin-8の細胞接着誘導に関与すると思われる候補分子の精製を試みたところ、Integrin-α4が同定できた。このようにgalectin-8、-9は、顆粒球(好酸球こ好中球、好塩基球)に限らず、様々な免疫系細胞に対して広範な作用を有す可能性がある。また、galectin-8の主な標的候補分子が免疫細胞で多く発現しているインテグリンファミリーであると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)