Project/Area Number |
15019102
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
久保 允人 東京理科大学, 生命科学研究所, 助教授 (40277281)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
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Keywords | サイトカインシグナル / T細胞機能分化 / Th1 / Th2 / IL-4 / STAT6 / SOCS |
Research Abstract |
感染症に対する生体防御反応において、特定のサイトカインを産生するヘルパーT細胞Th1・Th2はその病態形成を考える上で非常に重要な働きを持ち、反応がいずれかに傾くことによって、病態の予後は大きく変わってしまう。サイトカィンはTh1とTh2の誘導に重要な働きを持つことから、サイトカイン抑制シグナル分子SOCSの発現はサイトカインバランスの不均衡を惹起することにより、Th1・Th2バランスの破綻を誘導すると考えられる。なかでもSOCS5とSOCS3はT細胞においてそれぞれIL-4とIL-12のシグナルを抑制して、Th2とTh1分化をそれぞれ抑制することにより、Th2とTh1反応を亢進させる働きを持つ。本年度は、感染症病態形成時におけるSOCS分子の発現を把握すると共に、遺伝子改変マウスを利用して病態形成時におけるSOCS分子の働きについて検討した。 本研究ではSOCS分子の遺伝子改変マウスを用い、リステリア・リーシュマニア感染および細菌性敗血症の反応系におけるSOCS5とSOCS3分子の働きを解析する目的で、B6マウスのバックグラウンドに固定化した遺伝子改変マウスを作製した。SOCS3をT細胞で高発現するトランスジェニックマウスは、リステリア感染・リーシュマニア感染・細菌性敗血症、いずれにおいても病態に変化は見られなかったが、血中IgE抗体の上昇やT細胞におけるTh2反応の促進はいずれの場合も認められた。これに対し、SOCS5をT細胞で高発現するトランスジェニックマウスでは、細菌性敗血症に対する抵抗性を促進する傾向が見られた。しかしながら、リステリアとリーシュマニア感染に対しては全く影響が見られなかった。さらに、SOCS3の遺伝子欠損マウスより得たヘテロ接合体マウス、およびT細胞およびマクロファージ特異的に遺伝子を欠失させたコンデショナル欠損マウスを用い、アレルギー性炎症反応によって起こる抗原特異的気道過敏反応における生体内でのSOCS3の働きを解析した。その結果、T細胞におけるSOCS3遺伝子の欠損は、強く気道過敏反応を抑制したことから、アレルギー炎症の惹起にはT細胞におけるSOCS3の発現が病態の悪化につながることが明らかにされた。
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