寄生原虫におけるプロスタグランジン合成酵素の分子生物学的解析と医薬品開発への応用
Project/Area Number |
15019113
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Osaka Bioscience Institute |
Principal Investigator |
裏出 良博 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 分子行動生物学部門, 研究部長 (10201360)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 豪 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20263204)
池田 真行 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 分子行動生物学部門, 研究員 (10288053)
江口 直美 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 分子行動生物学部門, 研究副部長 (10250086)
|
Project Period (FY) |
2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
|
Keywords | リーシュマニア症 / シャーガス病 / アフリカ睡眠病 / トリパノソーマ / プロスタグランジンF_<2α> / アルド・ケト還元酵素遺伝子ファミリー / 旧黄色酵素遺伝子ファミリー / X線結晶構造 |
Research Abstract |
我々は、アフリカ睡眠病の病原寄生虫であるTrypanosoma brucei、リーシュマニア症の病原寄生虫であるLeishmania major、シャーガス病の病原寄生虫であるT.cruziが、哺乳類の代謝系とは薬剤感受性の異なるプロスタグランジン(PG)生合成系を持つことを発見した。そして、これらの寄生原虫のPGF合成酵素のcDNAをクローニングし、大腸菌を用いて遺伝子組換え型酵素の発現と精製を行なった。その結果、T.bruceiとL.majorのPGF合成酵素は、共に、アルド・ケト還元酵素遺伝子ファミリーに属する分子量34,000蛋白質であり、T.cruziのPGF合成酵素は旧黄色酵素遺伝子ファミリーに属する分子量42,000のフラビン蛋白質であることを証明した。そして、大腸菌を用いて発現したT.bruceiとT.cruziのPGF合成酵素の結晶化に成功し、T.bruceiのPGF合成酵素については、大型放射光施設SPring8でのX線回折データの収集を行ない、2.6Å分解能の結晶構造を決定した。さらに、住血吸虫Schistsoma mansoniのPGD合成酵素がグルタチオン転移酵素遺伝子ファミリーに属する分子量28,000の蛋白質(Sm28GST)であることを証明した。そして、S.mansoniが宿主の皮膚での寄生を持続させるために、PGD_2を分泌して、宿主のPGD_2受容体(DP受容体)を刺激し、皮膚の抗原提示細胞(ランゲルハンス細胞)のリンパ節への移動を抑制し、宿主の免疫系による攻撃から逃れることを、DP受容体遺伝子欠損マウスへの感染実験により証明した。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)