C型肝炎ウイルスの細胞および個体免疫系修飾による持続感染成立機序の解析とその制御
Project/Area Number |
15019126
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
小原 道法 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 副参事研究員 (10250218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米川 博通 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 参事研究員 (30142110)
習田 昌裕 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (10356256)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥6,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥6,500,000)
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Keywords | C型肝炎ウイルス / 持続感染 / 動物モデル / siRNA / 再構成ウイルス |
Research Abstract |
C型肝炎ウイルスは日本でも200万人にのぼる感染者が存在することから重大かつ深刻な感染症のひとつである。HCV感染の最も深刻な問題は、感染後80〜90%の高率で持続感染化し肝細胞癌を発症することである。この持続感染機構と発癌機序を明らかにし有効な対策をたてることは重要かつ緊急の社会的要請となっている。HCVは宿主域の狭いウイルスであり、感染動物はチンパンジーのみで、より小型でハンドリングの容易な感染動物系の樹立が望まれている。ツパイは小型原猿類に分類され、A型、B型肝炎ウイルスやヘルペスウイルスなどにたいして感受性を示す報告がある。そこで、HCV患者血清とcDNAクローンからの再構成ウイルス粒子をツパイ個体に接種し、長期にわたり感染動物の経過を観察した。血清中HCV RNAは2年にわたり検出され、持続感染化した。また、接種ツパイ個体から得られたHCV-RNA陽性血清をナイーブな個体に継代接種したところ、被接種個体においても血清中HCV RNAの検出とALT値の上昇が再現された。また、2年半後には肝腫瘍の形成がみとめられた。ツパイは接種後2年を待たずにHCV感染による特徴的な病変が認められ、小型の感染モデル動物としての有用性が示された。HCVの感染病態研究に大きく寄与できるものと考えられる。さらに、HCV株間で、よく保存されている遺伝子領域の配列に対して、in vitroにて合成したsiRNAおよびプラスミドから細胞内で発現させたsiRNAを用い、感染性の全長HCV遺伝子発現細胞であるHepRzM6細胞、さらにHCVレプリコンにおけるHCV遺伝子およびHCVタンパク質に対する発現抑制効果を検討した。感染性cDNAクローンとin vitro合成siRNAあるいはプラスミド発現によるsiRNAをHepG2細胞にコ・トランスフェクションし、細胞内でのHCVタンパク発現をELISAで定量すると90%近くタンパク発現を抑制するsiRNA配列を見出した。これらの結果をもとに、HCV感染性動物として我々が独自に樹立を試みているツパイあるいはトランスジェニックマウスなどを用いたin vivoでのsiRNA活性を検討し、HCVの治療への応用を試みている。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)