Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
袋布 昌幹 富山工業高等専門学校, 環境材料工学科, 助手 (50270244)
坂本 佳紀 富山工業高等専門学校, 環境材料工学科, 助手 (20332009)
福井 智史 高松工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (20238455)
加賀谷 重浩 富山大学, 工学部, 講師 (50272894)
|
Budget Amount *help |
¥7,200,000 (Direct Cost: ¥7,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2003: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
|
Research Abstract |
(1)高等専門学校 高等専門学校(高専)における教育システムについて検討を行ってきた。高専は設立から40年にわたり,高校生に相当する3年間,大学に相当する2ないし4年間の一貫教育を行ってきた高等教育機関である。学習指導要領の縛りを受けることなく自由な教育課程を編成することができ,教育・研究に従事する教員が15歳の学生に教育するプログラムは,スーパーサイエンススクール(SSH)で行われている試みや,理数科教育の将来像と共通するものである。その意味で高専はSSHなどで行われている先端的プログラムを40年前から行ってきた,優れた教育システムを有する教育機関であると考えられる。 (2)教育コンテンツ 高専の特徴を最大限に生かした教育手法として,教育スタッフのグループ化により理数科系科目に興味を持って入学してきたと考えられる現代の15歳の学生に,地球環境と調和した持続可能な技術開発に貢献する「エコテクノロジスト」の素養を身につけることができる教育コンテンツを試作した。具体的には(1)レンズ付きカメラを用いたエコマテリアル,資源循環に関するグループワーク(2)最先端の科学技術を題材にした情報収集,整理,プレゼンテーションに関するグループワークなどを提案し,いずれもグループワークによって創造的な提案ができるPBL(Project Based Learning)の手法を用いた。 (3)「こ」と「Co」(1)で述べた教育システム,(2)で述べた教育コンテンツはいわば教育的なハードウエアである。これを教育現場で継続的に教材として活用するためには,学生の関心の方向性に適応した方法的側面,すなわち教育テキストソフトウエアが必須である。高専は,本研究課題を申請できる研究者で唯一,15歳からの学生を継続的に教育する現場で教材をしながらそのアウトプットを速やかに教材開発につなげるスパイラルアップにつなげることが可能である。これまでの検討により,(1),(2)を実践するために学生に必要な能力は,Communication, Collaboration, Consensusなどの「Co」の概念に基づく能力であるが,現在の10代の子供たちの考え方は,個人,個性,個別教育の結果生じた「こ」の概念に基づく孤独なものである。今後,「こ」を「Co」に変換する教育手法の開発が理数科系教育に必須であると考えられる。
|