Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
平成16年度において、引き続き王陽明の著作の成立とそれらの著作の出版に至る経緯を探るとともに、陽明学派の思想的な系譜と後学の出版事業への参与に関する総合的な考察を行った。これらの研究の成果としては、2004年1月に開かれた「東アジア出版文化の研究」調整班の研究集会に「王守仁の語録について」と題する研究発表を行い、『「東アジア出版文化の研究」調整班(B)出版物の研究』(2005年3月刊行)に発表した。また、従来研究のなされていなかった王陽明の著作である『良知同然録』について考察する論文『関於王守仁『良知同然録』的初歩研究』を発表した。これにより、『良知同然録』は学界に初めて紹介され、加えて、同書に収録された王陽明の逸詩も始めて紹介された。さらに、これにより、王陽明の著作がどのように世の中に広がっていったのか一端が解明されることとなった。これらの研究により、中国のどの地方で、どのような階層の弟子たちが王陽明の著作をまとめたかをはじめて知ることができるようになり、王陽明とその後学たちの生きていた時代の出版環境を明らかにすると同時に、テキストの編成と出版という角度から、陽明学の系譜の形成を再認識することが出来るようになったのである。
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人文社会科学研究(早稲田大学理工学部複合領域人文社会科学研究会) 第45号
東アジア出版文化の研究(調整班(B)出版物の研究)
Pages: 229-246
福井文雅先生退官記念論文集
防衛大学校紀要 第88輯
40007077288
明清漸東学術文化研究(中国社会科学出版社)
Pages: 243-253