Project/Area Number |
15023205
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石井 直人 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60291267)
|
Project Period (FY) |
2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥6,100,000 (Direct Cost: ¥6,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥6,100,000 (Direct Cost: ¥6,100,000)
|
Keywords | T細胞 / 免疫寛容 / OX40シグナル / がん免疫 |
Research Abstract |
生体は自己のがん細胞に対して免疫寛容となっている。しかしながら、免疫寛容維持と破綻の分子機構は明らかではなく、その解明はがん免疫制御において重要な研究課題である。我々は最近、T細胞副刺激分子であるOX40が免疫寛容破綻に直接的に関与する可能性を示した。そこで、OX40シグナルによるT細胞免疫寛容破綻機構の解明を目的として、本研究を実施した。CD25陽性CD4陽性制御性(Treg)T細胞はT細胞活性化を抑制することにより、生体の免疫寛容を維持する。マウスにおいて人為的にその細胞集団を除去すると、自己免疫発症を促すばかりでなく、がん免疫を増強することが知られている。Treg細胞が恒常的にOX40を発現することから、Treg細胞機能とOX40シグナルに何らかの関連性があると考え、OX40L発現抗原提示細胞(APC)存在下でのTreg細胞機能を検討した。その結果、野生型マウス由来APC存在下ではT細胞活性化抑制効果を発揮したTreg細胞が、OX40L-Tgマウス由来APC存在下では全く抑制効果が発揮できないことを見いだした。さらに、OX40L-Tg-RAG2欠損マウス(各組織にOX40L高発現したリンパ球欠損マウス)にTreg細胞と通常のCD4陽性T細胞を移入したところ、in vivoにおいても抑制機能が発揮できないことが分かった。他のグループの報告によりTreg細胞関連免疫寛容ががん免疫をも抑制することが明らかにされていることから、人為的OX40刺激によりがん免疫を増強できる可能性が高い。実際に、マウスにメラノーマ細胞を移植・腫瘍形成後に、腫瘍内にウイルスベクターを用いてOX40L遺伝子を導入すると、腫瘍増殖速度が著しく抑制されることが分かった。OX40刺激はがん免疫を増強することが明らかになった。
|