がん抑制遺伝子TSCに制御されるラパマイシン標的蛋白mTORシグナルの研究
Project/Area Number |
15023236
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
米澤 一仁 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 教授 (70283900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 千春 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 助手 (70335462)
吉野 健一 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 助手 (90280792)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
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Keywords | 抗がん剤 / rapamycin / FKBP12 / mTOR / 栄養環境 / p70 S6 kinase / raptor / スキャフォールド蛋白質 |
Research Abstract |
抗がん剤として注目されるrapamycinの細胞内標的蛋白質mTOR (mammalian target of rapamycin)は巨大なSer/Thr kinaseである。mTORは、細胞周囲の栄養環境の変化、即ちアミノ酸濃度の変化を感知して下流分子p70 S6 kinase(p70S6k)などをリン酸化し、蛋白質合成を制御する。Rapamycinは、細胞内でFKBP12と複合体を形成し、この複合体がmTORに結合することによりmTOR機能を阻害するといわれているが、その詳細は不明である。我々は、mTORと複合体を形成する蛋白質raptor (regulatory associated protein of mTOR)を同定した。Raptorは、mTORとその基質であるp70S6kなどの両方に結合し、mTORが基質をリン酸化するための足場を提供するスキャフォールド蛋白質として機能している。そこで、mTORとraptorの結合に及ぼすrapamycinの影響を解析した。その結果、以下のことが判明した。(1)In vivoにおけるmTORとraptorの結合は、rapamycin処理により著しく阻害された。(2)FKBP12/rapaillycinが結合できないmTOR変異体とraptorの結合は、rapamycin処理によって抑制されなかった。(3)rapamycin処理によりraptorとの結合が阻害されたmTORは、p70S6kなどに対するリン酸化活性が低下していた。(4)In vitroにおいても、FKBP12/rapamycinは直接mTORとraptorの解離を引き起こした。以上より、rapamycinは、mTORとraptorの結合、すなわちmTORが効率よく基質をリン酸化するための足場形成を阻害することにより、mTORの機能を抑制していることが示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(13 results)