DNA複製に伴うクロマチン構築機構の解明と発がんとの関連
Project/Area Number |
15023259
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
柴原 慶一 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系・育種遺伝研究部門, 助教授 (20263098)
|
Project Period (FY) |
2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥5,400,000 (Direct Cost: ¥5,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥5,400,000 (Direct Cost: ¥5,400,000)
|
Keywords | DNA複製 / ヌクレオソームアセンブリー / CAF-1 / チェックポイント / エピジェネティクス |
Research Abstract |
複製後のDNAは、ヒストンを取り込み速やかにヌクレオソームに変換される。この複製に伴うヌクレオソームアセンブリー反応には、ヒストン結合蛋白質複合体CAF-1及び複製因子PCNAが関与する。我々は、ヒトの培養細胞抽出液を用いたin vitro系による解析と、高等植物ArabidopsisのCAF-1ホモログ変異体(fas)の解析を通じて、同反応の機構及び生物学的な意義を理解したいと考えている。 今年度我々は、同反応を、ヒストンH3.H4とヒストンH2A.H2Bのアセンブリーという二段階の素過程に分解し解析する系を確立し、それぞれのステップに未同定のアセンブリー活性が必要であることを検証した。 一方、fasの解析においては、DNA損傷刺激への感受性上昇、セントロメア近傍領域の反復配列のジーンサイレンシングの脱抑制、細胞の表現型や遺伝子発現の不安定性を観察した。特に、そのジーンサイレンシングの脱抑制は、ごく一部の細胞のみでstochasticに起こるという点で極めて特徴的であった。 fas変異体や、CAF-1の機能が阻害されたヒト細胞株で観察される、細胞の表現型や遺伝子発現の不安定性、DNA損傷刺激への感受性上昇、S期遅延と二重鎖DNA損傷の蓄積、DNA複製チェックポイント制御の活性化等は、いずれも腫瘍細胞で頻繁に観察される状況、もしくは発がんの誘因になり得る状況である。今後も、同反応の機構破綻と発がんとの関連解明が期待される。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)