癌細胞の運動性亢進におけるLIMキナーゼとSlingshotの機能解析
Project/Area Number |
15024207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大橋 一正 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (10312539)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥5,900,000 (Direct Cost: ¥5,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥5,900,000 (Direct Cost: ¥5,900,000)
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Keywords | LIMキナーゼ / Slingshot / アクチン / コフィリン / 細胞移動 / がん転移 / リン酸化 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
がん転移のメカニズムの解明はがん治療において重要な課題である。細胞の移動や運動は、細胞内アクチン骨格の再構築が重要な役割を担っていることが知られており、がん細胞の運動性亢進は無秩序なものではなく、基本的なアクチン骨格の再構築機構ががん細胞に都合良く変異したためだと考えられる。私たちは、細胞内アクチン骨格の脱重合・切断因子であるコフィリンの不活性化因子としてリン酸化酵素のLIMキナーゼ(LIMK)と活性化因子として脱リン酸化酵素のSlingshot(SSH)をこれまでに発見した。これらががん細胞の運動性亢進におけるコフィリンの活性制御に対して果たす役割を解明することを目的として研究を進め、以下の結果を得た。1)SSHの哺乳類における3種類のファミリー(SSH1,2,3)をクローニングし各々の活性と局在を解析した。その結果、全てコフィリンの脱リン酸化活性を有していたが、各々異なる細胞内局在、組織分布を示し、個々に特異的な機能を有することが示唆された。2)乳がん細胞へのneuregulinの刺激において、葉状仮足へのSSH1とコフィリンの集積が葉状仮足内のアクチン骨格のダイナミクスを制御することを示唆する結果を得た。また、SSH1と14-3-3タンパク質がSSH1のリン酸化依存的に結合しSSH1の活性抑制に働くことを見いだした。3)筋芽細胞へのPDGF刺激による遊走において、SSH1の活性抑制は細胞移動を阻害した。解析の結果、細胞後方の退縮に影響することが明かとなり、SSH1はストレスファイバーのダイナミクスにも機能することが示唆された。4)細胞質分裂時のアクチン骨格の再構築において、収縮環付近のアクチン骨格の再構築にSSH1が働くことが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)