新規アクチン結合蛋白Nd1による細胞骨格制御と発癌
Project/Area Number |
15024209
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
幡野 雅彦 千葉大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (20208523)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 明美 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (90359597)
有馬 雅史 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (00202763)
徳久 剛史 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20134364)
|
Project Period (FY) |
2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
|
Keywords | アクチン結合蛋白 / Kelchファミリー蛋白 / Doxorubicin / ノックアウトマウス / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
(1)Nd1の生体内での機能を知るために、アクチンプロモーターを用いて全組織にNd1-Lを発現するトランスジェニック(Tg)マウスを作成した。コピー数の多い3ラインについて発現を調べたところ、心臓、脾臓、胸腺、腎臓、肝臓などにRNA、蛋白とも強発現していた。これらのマウスの発育はコントロールと変わりなく、生殖可能であった。これまでに以下の事を明らかにした。1.心筋に強発現していることよりNd1-L TgにDoxorubicin (DOX)を投与して心筋障害について検討した。Nd1 Tgはコントロールに比べてDOXに対し耐性を示したDOX投与後の心機能をエコーで検討したところ、コントロールでは心駆出率の低下を認めたがTgは正常であった。さらに心筋のアポトーシスをTUNEL法でしらべたところ、DOX,投与1週でTgはコントロールに比較してアポトーシスが少なかった。これらの結果よりNd1-Lの強発現によりDOXの心毒性を阻害できると考えられた。2.1年以上経過したNd1-L Tgの約30〜50%に腫瘍が発生した。頚部および腸間膜リンパ節、一部には肝臓に転移しているものも認められ病理検査の結果リンパ腫であった。腫瘍は3つのラインいずれからも発生しており、またコントロールマウスからは認められていない。さらにリンパ腫のほかに軟部組織肉腫、肝癌、血管腫など多種にわたる腫瘍が発生している。このことよりNd1-Lの強発現が生体内において細胞癌化を来す事が明らかとなった。(2)個体発生におけるNd1のより生理的な機能を知る目的でNd1ノックアウト(KO)マウスを作成した。KOマウスは正常に生まれ、肉眼的には野生型と差がない。成長、発育も正常でKOマウス同志で生殖可能である。KOマウスにDOXを投与し心毒性を調べた所、KOではDOX投与1週間以内に80%が死亡した。剖検では肝臓の腫大、腹水が認められ心不全が原因と考えられた。TgおよびKOマウスを用いた実験からNd1は心筋をDOXの毒性からプロテクトするための重要な因子の1つであることが証明された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)