Budget Amount *help |
¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
|
Research Abstract |
細胞内の脂質滴にはカベオリンが局在し,細胞膜のコレステロール濃度調節などを通じて,細胞の増殖制御機構に関与すると考えられる.脂質滴構成蛋白質であるADRPはコレステロールとの結合性を持ち,脂質滴に貯蔵されたコレステロールエステルの動態に関わると予想される.本年度の研究では,ADRPの生理的役割を解明するために,ADRPと結合する分子を得る目的で酵母two-hybrid法によるスクリーニングを行い,ARF1を同定した. GST-ADRPによるpull-down, GFP-ADRPおよびHA-ARF1の免疫沈降,さらに内在性蛋白質の免疫沈降により,ADRPとARF1の結合を確認した.ARF1のwild-type, GTP結合型mutant(Q71L),GDP結合型mutant(T31N)とADRPの結合性を比較し,T31N>Q71Lであることを見出した.哺乳類細胞に発現させたGFP-ARF1(T31N)とADRPの結合も共沈により確認した.ARF1-GEFの阻害剤であるBFA投与,ARF1(T31N)の発現によりADRPが脂質滴から脱落し,脂質滴が縮小する傾向が認められた. ADRP分子内でARF1との結合する部位を検索するためにADRP(1-181),DRP(174-282),ADRP(277-426)の3者とARF1の結合性をtwo-hybrid法で比較し,ADRP(174-282)のみが強い結合をすることを見出した.脂質滴に局在することが判明しているADRP(1-181),ADRP(277-426),ADRP(full-length)のうち,BFA存在下でも前2者は脂質滴に局在し,上の結果と一致した. 以上より,ADRPの脂質滴への局在はARF1が関与することが明らかになり,脂質滴がBFAの新たな作用点であることが示された.
|