変異導入マウスによるMAPキナーゼ経路の分割化と機能解析
Project/Area Number |
15024233
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
緒方 正人 三重大学, 医学部, 教授 (60224094)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥5,800,000 (Direct Cost: ¥5,800,000)
Fiscal Year 2003: ¥5,800,000 (Direct Cost: ¥5,800,000)
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Keywords | MAPキナーゼ / チロシン脱リン酸化酵素 / 遺伝子改変マウス / 増殖因子 |
Research Abstract |
p38やERKなどのMAPキナーゼ(MAPK)経路は、がん化やがん病態と密接に関連するとされるが、その生理的意義は依然混沌としている。ERKとp38について生理的な意味のあるシグナル伝達経路の解明を目的とし、それらMAPKの遺伝子改変マウスを作成/解析した。 1.ERK2ノックアウトマウスの解析 ERK2ノックアウトマウスは、胎盤形成不全で胎生致死であった。胎盤においてERK2は、増殖因子受容体のシグナルを伝達し、それが胎盤形成に必須と考えられた。 2.sem型ERK2のノックインマウスの解析 sem型ERK2のノックインマウスは、ヘテロでERK2のリン酸化が亢進しており、胎仔は低体重で、90%以上が周産期に死亡した。ERK2活性の異常亢進は、むしろ増殖因子シグナルを抑制する可能性が示唆された。 3.sem型p38αノックインマウスの解析 sem型p38αのホモノックインマウスはp38機能の部分喪失を認め、がん悪疫質の成立に重要なサイトカイン、TNF-αの産生が低下している。sem型p38αマウスで特定組織の発育が不良であることを見い出し、現在解析中である。sem型p38αノックインマウスでは、p38αの明らかな活性化亢進は認めなかった。p38αの抑制には、チロシン脱リン酸化酵素以外にWip1などのセリン/スレオニン脱リン酸化酵素も重要であると報告されている。sem型p38αはwip1との結合性を保持しており、これによる抑制性制御が保たれていると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)