熱ショック転写因子群による細胞分化と死のシグナル制御
Project/Area Number |
15024248
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
中井 彰 山口大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60252516)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
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Keywords | レンズ / 上皮細胞 / 増殖 / 分化 / HSF / FGF / アポトーシス / 細胞死 |
Research Abstract |
レンズは一層のレンズ上皮細胞とそこから分化したレンズ繊維細胞の2つからなる単純な構造で、細胞増殖と分化の良いモデルである。HSF4欠損マウスの解析から、HSF4欠損レンズでは、γクリスタリンの発現が著明に減少することでレンズ繊維芽細胞への分化異常をきたして白内障を発症することが強く示唆された。さらに、HSF4欠損マウスでは、生後2日以降にレンズ上皮細胞の数が20%程度増加し、細胞形態も円柱状になる。BrdUの取り込みを調べたところ、上皮細胞の細胞増殖の亢進を認めた。これは、レンズ上皮細胞の細胞増殖を制御する主要な因子であるFGF(FGF-1、-4、-7)の発現の亢進を介していた。つまり、HSF4はFGFの発現を介して細胞増殖を制御することを示唆している。一般に、FGF群は上皮細胞の増殖を促進する因子である。その過剰な発現は、乳腺、前立腺をはじめとする多くの臓器の上皮細胞の過形成を導くことが知られており、がん化との関連が指摘されている。 また、ストレスを受けた精子細胞の細胞死の研究から、HSF1を介する細胞死の経路が初めて明らかになってきた。HSF1はアポトーシス促進因子として知られているTDAG51遺伝子を活性化することを見いだした。従来、HSF1が単純に細胞防御に働くと考えられていたが、本研究から細胞生死の決定を行うという新しい概念が生まれる可能性がある。HSF1は蛋白変性を感知する主要な分子であることから、DNA障害を感知するp53の経路と類似の役割を担うことが推測される。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)