染色体複製開始因子の制御機構から捉えた細胞増殖とがん化の研究
Project/Area Number |
15024251
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
西谷 秀男 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (40253455)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
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Keywords | 複製 / ライセンス化 / がん / Cdt1 / ユビキチンープロテアソーム系 / 染色体 |
Research Abstract |
染色体複製を開始し、複製を細胞周期に一度のみに限定する制御機構は、細胞増殖と遺伝情報の維持のために必須の制御機構である。我々はこれらの機構をあきらかにするため、複製のライセンス化因子Cdt1を中心に研究を行ってきた。 (1)Cdt1の分解制御 Cdt1のS期における分解は、ユビキチン-プロテアソーム系により行われることを示してきた。Cdt1のN末およびC末を安定に発現する細胞を作製し、N末が分解に関与しており、さらに藤田博士(国立ガンセンター)との共同研究により、N末に存在するCyclinA結合部位を通して、Cdt1がリン酸化されてユビキチン化に関わるSkp2が結合することを明らかにした。また、DNA傷害を起こすUVを細胞に照射すると、Cdt1が素早く分解されることを見いだした。同じくライセンス化因子であるCdc6もかなり分解されたが、Orc1,MCM3は安定だった。この分解にも、Cdt1のN末が関与しており、ユビキチン-プロテアソーム系により分解されることを明らかにした。 (2)過剰複製の誘導 分解に関わるN末を除いたCdt1は、S期で安定に存在し、293T細胞に高発現させると、4C以上のDNA量を持つ細胞が高頻度で出現し、再複製が誘導されたと予想された。 (3)Cdt1結合因子の検索 Flag-Cdt1を発現する細胞を作製し、Flag抗体免疫沈降によりCdt1と共沈するものの検索を行い、30kdaのGemininの他、35,45,47kDaのタンパク質を見つけた。 (4)がん組織でのCdt1の発現 複製開始に必須なCdt1は、がん組織での発現が上昇していると考えられる。三菱生命研・宋博士との共同研究により、がん化の進行と共に、Cdt1の発現量が上昇していることを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)