白血病細胞のdormancy誘導におけるFKHRL1転写因子の役割
Project/Area Number |
15024257
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
小松 則夫 自治医科大学, 医学部, 助教授 (50186798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 美栄 自治医科大学, 医学部, 助手 (80316520)
森 政樹 自治医科大学, 医学部, 講師 (00337346)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
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Keywords | FKHRL1 / dormancy / 薬剤耐性 / siRNA / STI571 |
Research Abstract |
我々はこれまでにFKHRL1がエリスロポエチンやトロンボポエチンなどのサイトカイン刺激によってリン酸化され、核から細胞質へ移行し、転写活性化能を失うこと(Blood 96:941,2000;JBC 276:15082,2001)、核内移行型(活性型) FKHRL1cDNA導入によって細胞回転がG0/G1期で停止し、in vitroの系において正常血液幹細胞の増殖・分化を著しく阻害することを明らかにした。さらに慢性骨髄性白血病(CML)由来の細胞株ではFKHRL1が恒常的にリン酸化されており、BCR-ABLチロシンキナーゼ特異的インヒビターであるSTI571処理によってリン酸化が減弱することから、CML細胞ではFKHRL1は不活性型として細胞質内に存在し、STI571によるBCR-ABLチロシンキナーゼ抑制によって核内に移行し、転写因子としての機能を発揮することが推測された。内因性にbcr-ablを発現しているCML由来の白血病細胞株KCL22に活性型FKHRL1-エストロゲン受容体融合遺伝子(FKHRL1-ER)を遺伝子導入し、TAM誘導システムを樹立した(JBC 278:6411,2003)。TAM添加によって核内にFKHRL1を強制発現させたところ、3日目には細胞のほとんどがアポトーシスによって死滅した。このことはFKHRL1を分子標的にした新たな治療法へと発展できる可能性を示唆している。そこで、FKHRL1-ERトランスフェクタントおよびベクターのみを導入されたコントロール細胞株をヌードマウスの皮下に接種し、腫瘍形成後にTAMを投与した。トランスフェクタントではTAM投与群でday2〜day7の腫瘍体積に有意な差(p<0.05)があることがわかった。一方、親株ではタモキシフェン投与による腫瘍の縮小効果は認めなかった。さらに優位抑制型FKHRL1遺伝子導入細胞株およびベクターのみを導入されたコントロール細胞株をヌードマウスの皮下に接種し、腫瘍形成能を検討した。優位抑制型FKHRL1遺伝子導入細胞株では親株に比して、腫瘍形成能の著しい低下を認めた。これらの実験結果はFKHRL1を分子標的とした白血病の新たな治療法開発へと展開できることを示唆している。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)