がんの免疫遺伝子治療への応用をめざしたEBウイルスベクターの開発
Project/Area Number |
15025201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
神田 輝 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助手 (50333472)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2003: ¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
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Keywords | EBウイルス / ベクター / がん / 遺伝子治療 / 大腸菌人工染色体 / Bリンパ球 / Muc1 / WT1 |
Research Abstract |
研究代表者らが開発したAK-BACシステムは、約170キロベースのサイズを有するEBウイルスゲノムを大腸菌内の相同組換え法により改変し、組換えウイルス産生を行なう新しい方法である。AK-BACとはAkata細胞(バーキットリンパ腫細胞株)由来のEBVゲノム全長を有するBACクローンであり、大腸菌内で増殖可能であること、および大腸菌内における効率の良い相同組換え法により迅速かつ確実に改変できることが特徴である。本年度はこのシステムのさらなる改良を行なうとともに、がんの免疫遺伝子治療への応用に向けての第一歩を踏み出した。第一に、BACクローンDNAを細胞へ再導入してウイルス産生細胞を樹立する過程の効率化に成功した。第二に、BACシステムで作製・産生した組換えウイルスの力価の検討を行なった結果、リンパ球不死化能という点で、野生型EBウイルスと同様の力価を示すことを明らかにした。第三に任意の外来遺伝子をEBウイルスゲノム上に試験管内のライゲーション反応によりに組み込める新しい方法を確立した。第四に、この方法を用いて実際に腫瘍特異抗原Muc1およびWT1遺伝子を組み込んだ組換えウイルスゲノムを大腸菌内で作製し、これらのBACクローンを再導入したAkata細胞において、両者が蛋白質レベルで高発現することを確認した。さらにMuc1組込み組換えウイルスを産生し、Muc1を発現する不死化リンパ球細胞株(LCL)の樹立することに成功した。このようにAK-BACシステムは腫瘍特異抗原を高発現するLCLの樹立に有効であることから、こうしたLCLを抗原提示細胞として用いる細胞性免疫誘導への応用の可能性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)