ユビキチンプロテアソームシステムの応用による癌遺伝子ワクチンの開発研究
Project/Area Number |
15025255
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
姫野 國祐 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (50112339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古江 増隆 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (70134583)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥4,100,000 (Direct Cost: ¥4,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥4,100,000 (Direct Cost: ¥4,100,000)
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Keywords | DNAワクチン / メラノーマ / フュージョンDNA / TRP-2 / ユビキチン融合遺伝子 / CD8^+T細胞 / プロテアソーム阻害剤 / PA28ノックアウトマウス |
Research Abstract |
近年、田中等によりペプチド抗原をユビキチン化することにより、その抗原がプロテアソームでプロセッシングを受け必然的にMHCクラスI分子に提示されるため抗原特異的CD8+T細胞が効率よく誘導されることが証明された(Immune.Rev.:163;161-76,1998) 1)本申請研究ではまずマウスメラノーマ由来のTRP-2遺伝子とユビキチン遺伝子の融合遺伝子(フュージョンDNA)を構築した。(なお、メラノーマ以外にマウス肺癌(3LL)およびマウス消化管(colon26)を用いて同様の研究を行っている) 2)in vivoの動物実験の前に構築したワクチンベクターを様々な細胞株に遺伝子導入を行って発現の確認を行い、抗原蛋白のプロセッシングおよび抗原提示機構を解析した。この目的のためプロテアソーム阻害剤であるMG-132、エポキソマイシン等を用いて、抗原蛋白質のプロセッシングにおけるプロテアソームの役割について確認を行った。 3)上記フュージョンDNA(メラノーマにおいてはubiqitin-TRP-2遺伝子(以下pcUB-TRP-2))を用いてC57BL/6マウスにDNAワクチンを一週間毎に3度行った。ワクチンは生体への遺伝子導入効率の優れた遺伝子銃を用いた。最終ワクチン終了後2週間目にC57BL/6マウス由来のB16メラノーマを移植した。腫瘍増殖に程度を系に知的に計測した。TRP-2遺伝子でワクチンした宿主マウスでは腫瘍増殖抑制効果は全く認められず腫瘍は増殖を続け、40日目までに全マウスが腫瘍死した。一方、pcUB-TRP-2遺伝子によりワクチンを受けた宿主マウスでは移植腫瘍の増殖は顕著に抑制された。 4)このフュージョンDNAによるワクチンを受けたC57BL/6マウスではB16メラノーマの転移も著しく抑制され、強い抗腫瘍免疫が誘導されていることがこの現象から確認された。 5)上記ワクチンによる抗腫瘍効果はTRP-2特異的なCD8^+キラーT細胞により担当されていることが証明された。なお、この実験系はCD4^+T細胞の関与は認められなかった。 6)上記ワクチンによる抗腫瘍免疫はproteasome activatorであるPA28α/βをノックアウトしたマウスでは誘導されたことによりユビキチンプロテアソーム経路へTRP-2抗原が効率よく提示され、活性の強いCD8^+キラーT細胞が誘導されることが証明された。 7)ユビキチンプロテアソーム経路の応用による抗腫瘍効果の誘導はマウス肺癌の系でも認められた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)