脳神経系プロテオームマップを用いた脳腫瘍診断法の開発
Project/Area Number |
15025260
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
荒木 令江 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 講師 (80253722)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
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Keywords | プロテオミクス / 脳腫瘍 / glioma / 2D-DIGE / LC-MS / cICAT / p53 / proteomic differential display |
Research Abstract |
最も早期診断法や治療薬の開発が遅れ、予後が悪いものとして脳腫瘍があげられる。我々は、脳腫瘍の発生初期から進行度や予後予測、薬物治療効果などをモニタリングできる簡便な臨床マーカーを検索する目的で、ヒト脳神経系組織・細胞の2次元電気泳動(2D)によるプロテオームマップとそのデータバンクを構築している。本研究では、主にgliomaの形成進行に関連して動態を変化させる一連の蛋白質の検出・同定を、患者脳組織、神経系培養細胞、マウス脳組織から作成した各種プロテオームマップを用いた新規Proteomic Differential Display法にて以下のごとく検討した。 1)ヒト脳プロテオームマップの作成とデータタース構築、これを用いた脳組織タンパク質自己抗体ターゲットタンパク質の検出法の検討、 2)p53欠失マウスの脳神経系組織・細胞の2D-プロテオームマップの作成と、直接的2Dプロファイル比較(2D-DIGE)法の確立、 3)脳組織・細胞サンプルを用いたnanoLC-MASショットガン(cICAT)法の確立と脳腫瘍サンプルの解析。 これらの新規方法を用いて、ヒトGliomaでは341個の特異的なタンパク質を、マウス各種脳組織においてはp53遺伝子有無、神経細胞障害性刺激有無に関連して動態を変化させる213個のタンパク質を検出同定した。これらには既知の腫瘍関連分子のみならず腫瘍マーカーとして興味深い分子群が多数含まれており、現在これらの病態との関連性と機能解析を行っている。同じ組織・細胞サンプルからプロテオーム解析用のタンパク質とトランスクリプトーム解析用のmRNA抽出法を検討し、両解析結果を比較検討したところ、脳腫瘍およびマウス脳組織サンプルともに共通に発現量を増減させるものは20%以下であり、両者間での増減逆転現象も多数検出された。本研究によって、脳腫瘍の早期診断や治療薬の標的となりうるタンパク分子の高感度スクリーニング法が確立できた。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)