生体必須微量金属の動態を利用した新規脳腫瘍画像診断薬剤の開発
Project/Area Number |
15025265
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
武田 厚司 静岡県立大学, 薬学部, 助教授 (90145714)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | 亜鉛 / 脳腫瘍 / 画像診断 / 細胞増殖 / アポトーシス / 生体必須微量金属 |
Research Abstract |
脳腫瘍の核医学的画像診断は非侵襲的な診断法としてきわめて重要であり、腫瘍の代謝活動を反映する放射性画像診断薬剤の開発が強く望まれている。生体必須微量金属の生理機能は十分には明らかにされていないために、これまで微量金属の動態を画像診断へ応用することは注目されなかったが、近年微量金属ががんの発症や進行と関係することが明らかになってきた。これまでに、Zn-65により脳腫瘍を陽性像として鮮明に画像化することに成功し、短半減期放射性亜鉛(Zn-69m:半減期、13.76時間)が腫瘍代謝活動のマーカーとして画像診断に有用であることを示してきた。 本研究では、放射線治療後の腫瘍の壊死病巣と再発病巣の区別における亜鉛取込画像の有用性を明らかにするために、培養細胞を用いて増殖状態から増殖を停止し、アポトーシスへと移行する過程における亜鉛の取込を調べた。その結果、細胞増殖が停止すると亜鉛の取込が低下すること、一方、アポトーシスへの移行に伴い亜鉛の取込が上昇することも明らかとなった。亜鉛取込は細胞の活動変化と密接に関係していると考えられる。また、脳腫瘍モデルラットの脳における亜鉛代謝を、神経変性病巣をもつ病態モデルと比較したところ、脳腫瘍のある脳では病巣部位以外での亜鉛の取込はコントロールの脳と比べ有意に低下したが、神経変性のある脳では、病巣部位以外での亜鉛取込はコントロールの脳と同程度であり、低下しなかった。脳内亜鉛代謝が脳腫瘍増殖と関連して特徴的に変わる可能性がある。以上、脳腫瘍の早期診断や治療効果の判定に対する亜鉛代謝情報の有用性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)