変態期のショウジョウバエにおける神経回路崩壊を制御する遺伝的プログラム
Project/Area Number |
15029209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
粟崎 健 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (60359669)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥6,300,000 (Direct Cost: ¥6,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Keywords | 神経発生 / 神経変性 / 神経回路再編成 / ショウジョウバエ / グリア細胞 / 変態 / 神経回路 / 再編成 |
Research Abstract |
発生過程において形成された神経回路網を個体制御のために適した機能的な状態に完成させるためには、回路の一部の局所的な作り替えが不可欠である。本研究では変態期において再編成することが知られているショウジョウバエの幼虫キノコ体神経回路を実験系に用いて、神経回路再編成時にいかにして不要になった神経回路が崩壊するのか?この制御機構ならびにこれを支配する遺伝的プログラムを明らかにすることを目的として研究を行っている。これまでの解析から、「軸索分岐はグリア細胞により貪食・分解されることで崩壊する」と推論し、昨年度これを実験的に証明した。 今年度は、グリア細胞の軸索貪食機能を制御する分子機構を中心に解析を行った。その結果、スカベンジャー受容体様分子をコードするdrpr、ならびに活性化されたDrprのC末端と相互作用するアダプター分子をコードするced-6がグリア細胞に特異的に発現していることを発見した。さらに、グリア細胞による軸索分岐の貪食・除去にdrpr, ced-6の働きが必須であることをRNA干渉を利用したグリア細胞特異的な遺伝子機能破壊実験より明らかにした。また、グリア細胞による軸索分岐の貪食・除去と、軸索の変性ならびにグリア細胞の誘引がどのようにして協調的に制御されているのか?これについて調べたところ、グリア細胞における貪食標的の検出・認識分子の発現と軸索分岐における貪食標的シグナルの提示がエクダイソンにより協調的に調節されていることを示唆する結果を得た。このことから、エクダイソンを受容した神経細胞ならびにグリア細胞はDrprとそのリガンドを介した神経-グリア相互作用により軸索分岐崩壊を制御しているという新規のモデルを提唱することが可能となった。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)