線虫の化学走性の可塑性に関わる神経回路と機能分子の同定
Project/Area Number |
15029213
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飯野 雄一 東京大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (40192471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國友 博文 東京大学, 遺伝子実験施設, 助手 (20302812)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥7,000,000 (Direct Cost: ¥7,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
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Keywords | 順応 / 行動可塑性 / 学習 / Ras / MAPキナーゼ(MAPK) / インスリン / PI-3キナーゼ / 化学走性 / C.エレガンス / 感覚順応 / インスリン経路 / PI3キナーゼ / PTENフォスファターゼ / 連合学習 |
Research Abstract |
動物の感覚神経系においては、しばしば刺激に対する順応の現象が見られる。知られている順応の多くは感覚神経内での機構により説明されており、神経ネットワークの関与については不明な点が多い。我々は線虫C.エレガンスの匂いに対する応答が、5分間の匂い刺激により顕著に低下する現象(早期順応)を発見した。本研究ではこの順応が感覚神経のみでなく、AIYと呼ばれる介在神経の機能に依存して起こることを見出した。AIYは複数の感覚神経から入力を受ける介在神経である。AIYが欠損すると、早期順応が起こらない。さらに、Ras-MAPキナーゼシグナル伝達系の変異体が早期順応に欠損を持つこと、RasがAIY介在神経で働くことを明らかにした。 また、本研究では同じく線虫を用いてインスリン経路が神経可塑性に関わることを明らかにした。線虫は通常NaClを好むが、餌の非存在下でNaClを一定時間経験すると、NaClを忌避するようになる。インスリンINS-、インスリン受容体、およびその下流で機能することの知られているPI3キナーゼ、PDKキナーゼ、Aktキナーゼそれぞれの変異体でこの行動可塑性が失われていた。細胞特異的発現実験により、INS-1は介在神経AIAで、PI3キナーゼはNaClを受容するASE神経で働いていることがわかった。すなわち、感覚神経からシナプス入力を受けるAIA介在神経がINS-1を介して感覚神経に逆行性に働きかけることにより、行動を変化させる。ASE感覚神経は左右対称に一対存在するが、面白いことに、PI3キナーゼは右のASE神経でだけ働いていた。 以上述べたインスリン経路とRas-MAPK経路は哺乳類でも保存されており、本研究でこれらの経路による行動可塑性の制御の神経機構が明らかになったことは、今後の関連する研究の発展に貢献するものと考える。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)