においの学習におけるシナプス・分子機構に関する行動学的研究
Project/Area Number |
15029246
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
奥谷 文乃 高知大学, 医学部, 助教授 (10194490)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥6,200,000 (Direct Cost: ¥6,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 嗅覚 / 学習 / 幼若ラット / シナプス可塑性 / LTP / CREB / MAPK / ウェスタンブロッティング |
Research Abstract |
幼若ラットは、元来母のにおいと母性行動による体性感覚刺激の対提示による古典的条件付けにより、母親のにおいを学習する。体性感覚刺激として電撃を用いることにより、生後12日目のラットににおいの嫌悪学習が成立する。これまでに嗅球内への薬物注入により、においの嫌悪学習が促進されることから、嗅球内シナプスの可塑性がこの学習に関与する可能性が示唆された。そこで生後11日目のラットの脳から嗅球のスライス標本を調製し電気生理学的にシナプス可塑性の証明を試みた。 1)嗅覚二次ニューロンである僧帽細胞の軸索である外側嗅索を電気刺激し顆粒細胞層で記録されたフィールド電位のスロープは、100Hz1秒のテタヌス刺激を5回加えると有意な長期増強現象(LTP)を示した。 2)体性感覚刺激の対提示によっておこる遠心性ノルアドレナリン線維の活性化を模すためにノルアドレナリンを投与すると3回のテタヌス刺激でLTPを誘導でき、これはβ受容体を介することが明らかとなった. 3)ノルアドレナリンの添加によって誘導が促進されたLTPはNMDA受容体拮抗薬の添加で影響を受けないが、電位依存性のCaチャネルのブロッカーで完全に阻害された。 4)これらの電気生理学的結果はすべて行動薬理学的実験結果とよい相関を示し、LTPが起きない条件では嫌悪学習は成立しなかった。 以上の結果をまとめるとにおいの嫌悪学習のシナプスメカニズムとして、嗅球の僧帽細胞から顆粒細胞へのシナプス可塑性は有力な候補であると考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)