Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
平成16年度は、細胞抽出液を用いたRISCのin vitro解析を中心行った。HeLa細胞の抽出液を用い、siRNA含有蛋白質複合体の形成について、ゲルシフト分析した。時間経過に伴い、2つの増加する複合体(80Sとその他)と減少する複合体(40Sとその他)を検出し、最終的に最も大きな複合体1つに収斂する事を見出した。その最終複合体について、超遠心によるグリセロール密度勾配分画をしたところ、80Sリボソーム画分に一致し、RNAi関連蛋白質(Dicer, eIF2C, Gemin3,Gemin4,FMR1,p68)もその画分に存在することを抗体検出により確認した。この結果は、米国の研究グループから報告されているハエのRISCの結果と両立する。また、UVクロスリンクによりsiRNA末端に直接結合する蛋白質を検索したところ、200kDa前後に時間経過に伴い減少する交差結合体2つと、60kDa前後に時間経過に伴い増加する交差結合体2つ(新規RNAi成分と考えられる)を検出した。200kDa前後の複合体は免疫沈降試験からDicerと推定できた。同様に、siRNAを導入した細胞から抽出液を調製し、ゲルシフト及び超遠心によりsiRNA含有複合体を分析したところ、80S複合体と40S複合体の2つを検出した。これらはin vitroでsiRNA複合体形成した際に観察された分子量の大きい方からの2つの複合体に相当する。現在、この両複合体画分に対するRISC活性の確認作業を進めているが、まだRISC活性を見出すに至っていない。一方、ハエ胚抽出液を用いた同様な分析では、40Sリボソーム画分にRISC活性が存在することを予備的には確認している。
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Molecular Biology 38・2
Pages: 228-238