Budget Amount *help |
¥5,600,000 (Direct Cost: ¥5,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Research Abstract |
Rab GTPaseは,GTP型とGDP型の構造変換を通し,輸送小胞が標的膜へと輸送される際の分子スイッチとして機能している.一般的に,GTPを加水分解しGDP型となったRab GTPaseは,再びGTP型へと活性化され,次のGTPase cycleをまわることになるが,この際のヌクレオチド交換反応には,GDP/GTP交換因子(GEF)と呼ばれる分子が必要であることが知られている.そこで,シロイヌナズナにおけるRab5グループの機能を明らかにするため,まずRab5のGEFの機能解析を試みた.他の生物において,Rab5のGEFはVps9 domainと呼ばれる保存された構造を持つことが報告されている.シロイヌナズナゲノム中でVps9 domainを有するタンパク質を探索したところ,Vps9 domainを有するタンパク質をコードする二つの遺伝子が見いだされた.そのうち,発現が確認された一つの遺伝子(AtVps9a)をクローニングし,精製タンパク質を用いてAra7に対するGEF活性を測定したところ,非常に強いGEF活性が検出された.また,in vitroでのpull-down assayにより,AtVps9がAra6,Ara7,Rha1の全てと結合することも明らかとなった.このことから,シロイヌナズナのRab5関連タンパク質は,その構造上の特異性に反し,いずれの分子もが同一のGEFにより制御されていることが示唆された.これが事実であれば,AtVPS9遺伝子が破壊された植物においては,Rab5グループの全ての分子が不活化していると考えられ,この変異体を解析することにより,植物におけるRab5グループの機能をその総和として解析することが可能であると期待される.現在この変異体の解析を進めているが,予備的な解析において胚発生のかなり初期より細胞形態に異常が見られることから,この遺伝子産物が発生の初期から必須の働きを担っているものと予測される.今後の生化学的,遺伝学的解析を通して,AtVps9の機能をさらに明らかに出来るものと期待している. atvps9変異体の解析に加え,各rab5変異体の解析も順調に進行している.既にara6,rha1変異体については戻し交雑を終え,2重変異体の作出も完了している.
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