1分子蛍光イメージング法による分子シャペロニンの蛋白質折れたたみ機構解析
Project/Area Number |
15032254
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
多田隈 尚史 早稲田大学, 理工学部, 助手 (10339707)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 太郎 早稲田大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC)
船津 高志 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (00190124)
|
Project Period (FY) |
2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Keywords | 1分子計測・操作 / バイオイメージング / タンパク質の機能 / フォールディング / 顕微鏡技術 |
Research Abstract |
分子シャペロンは蛋白質の折れたたみを手助けする酵素である。申請者らは1分子蛍光イメージング法を用いて分子シャペロンの一種であるシャペロニンGroELとGroESの結合解離過程を解析し、従来はATPの加水分解が唯一の律速過程と考えられていたシャペロニンの変性蛋白質折れたたみサイクルに未知の中間状態が存在する事を示した。本研究ではこれらの成果を発展させ、以下の成果を得た。 1.チロシンの蛍光による構造変化の検出 シャペロニンGroELはATPが結合することで大きく構造変化する。チロシン残基の蛍光強度を測定する事でGroELの構造変化をリアルタイムにモニターできる事がわかった。変異体解析により強度変化は506番目のチロシン由来だと判明した。また、変性蛋白質非存在下のサイクルを解析した所、3つの中間状態があり、変異体を用いる事でそれらの状態と構造変化の相関を関連付けられた。 2.未知の中間状態の解析 未知の中間状態の分子的実態の解明を目指して、より詳細な解析を行った。蛍光エネルギー移動法を用いて、フタであるGroESが結合してからの変性蛋白質のGroEL内部での動きを計測した所、GroESが結合してから、少なくとも3つの中間状態を経てからGroEL外へ放出される事がわかった。これらの結果からGroEL-ESの反応サイクルには変性蛋白質を確実にGroEL内に閉じ込める機構があり、折れたたみ効率を向上させていることわかった。 3.高速溶液交換システムの開発 1分子蛍光イメージングは観察時の蛍光色素濃度が50nM程度に限定される。しかし、実際の生体反応ではより高濃度の領域で起きる反応が多い。そこで一時的に高濃度試料の溶液を流し反応を開始させた後、瞬時に観察可能な濃度まで蛍光色素を低減することで、この限界の克服を試みた。その結果、現時点では0.2秒で溶液濃度を交換出来ることが分かった。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)