Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 秀章 名古屋大学, エコトピア科学研究機構, 教授 (60109270)
笹井 亮 名古屋大学, エコトピア科学研究機構, 助手 (60314051)
薩摩 篤 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00215758)
服部 忠 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50023172)
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Budget Amount *help |
¥4,800,000 (Direct Cost: ¥4,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Research Abstract |
メタンガスは比較的豊富な天然資源であり,燃料としてだけではなく,炭化水素資源・水素資源としても注目されている。他の化学原料への変換のひとつとしてカップリング反応によるエタンなどへの変換が挙げられるが,メタンからエタンと水素が直接得られるメタンカップリング反応はΔGの大きな吸熱反応となり,温和な条件下では進行しない反応である。ところが,光触媒を利用しこのΔGを光エネルギーで補えば室温で進行させることも可能になる。しかし、酸化チタン光触媒を本反応に応用した場合、エタンは生成するものの水素は光照射下で酸化チタン触媒自身の光還元に消費されてしまい生成しない。 シリカアルミナや、シリカ担持ジルコニア,シリカ担持マグネシアなどのシリカ系光触媒はこれを満たし,本反応を室温付近で進行させた。これらの光触媒では,共通して,微細構造を伴った光励起リン光発光スペクトルを与える高分散な表面M-O-Si結合が光活性種であり、そのうち、高分散な金属原子カチオンに強く影響されたSi-O結合が光励起部位であると提案された。これは,発光強度あたりの触媒活性がどれも同じようなレベルであり,微細構造から見積もられる活性部位の振動エネルギーも発光寿命も同様であり,メタン分子による発光の消光実験でも同様の効率を示したことによる。 さらに注目すべきは,異元素を含まない純粋なシリカも若干ではあるが活性を示したことである。シリカは以前の研究より表面欠陥由来のNBOHC光活性種(Non-Bridging Oxygen Hole Center)をもつことが分かっており,文献によればその振動エネルギーはシリカアルミナや、シリカ担持ジルコニア,シリカ担持マグネシアなど発光サイトの振動エネルギーに近い。NBOHC種を多く持つメソポーラスシリカは本反応に高活性を示すこともわかった。この実験事実もあわせて考えると,シリカ系光触媒では共通してNBOHCか,それに類似した表面欠陥種のようなもの(量子光触媒活性サイト)が活性部位となるようである。
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