結晶あるいは固体表面でフォトクロミズムを示す有機化合物の構造-機能相関
Project/Area Number |
15033256
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
川東 利男 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (40038477)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 弘行 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (10038490)
磯部 敏幸 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 教授 (90037242)
伊藤 芳雄 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (00221086)
網本 貴一 九州大学, 高等教育総合開発研究センター, 助手 (60294873)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | フォトクロミズム / 光異性化 / 有機結晶 / サリチリデンアミン / メソポーラスシリカ / MCM-41 / プロトトロピー / X線結晶構造解析 / 固体反応 / シッフ塩基 / プロトン移動 |
Research Abstract |
サリチリデンアニリン類を始めとする有機フォトクロミック化合物の固体表面、包接空間場、および表面にごく近い結晶内部における分子運動性と構造との相関をより詳細かつ具体的に理解することを本研究課題の目的として研究を進めた。また、構造機能相関研究と平行して、「次世代を担う光機能性有機化合物の開発」を念頭に置き、新奇なフォトクロミック系有機化合物の創製に関する研究も精力的に行った。 規則的ナノ構造と広い表面積を持ちその構造を合成的に制御できるシリカ系ナノ細孔体に着目し、シッフ塩基を始めとするフォトクロミック有機化合物の安定な包接化に適したナノ材料の開発研究に着手した。アルミノケイ酸を無機材料に用いると、そのルイス酸性によって取り込まれたシッフ塩基は容易に分解された。そこでルイス酸性の低いシリカとしてMCM-41を用い、さらにO-シリル化することによって空孔内部をゲストとの親和性の高い疎水的環境にすることで、安定に包接されて良好な光着色を示す無機-有機ハイブリッド構造体を構築することに成功した。 結晶フォトクロミズムを示すことが知られているo-ニトロベンジリデンイソニコチン酸ヒドラジドに対し、ピリジン窒素原子の位置が異なる異性体、ならびに2,4-ジニトロ誘導体を合成し、X線回折実験によって明らかとなった結晶構造と観測されたフォトクロミズム特性との相関を議論した。合成した化合物はいずれもフォトクロミズム現象を示したが、X線結晶構造解析の結果、いずれの結晶においてもプロトンドナーであるアミドN-Hに対しアクセプターとなることが期待される原子との間に分子間水素結合が認められ、かつ、光照射前後のスペクトル変化が分子間水素結合に関与する原子の違いと相関していることから、この有機結晶系が示すフォトクロミズムには分子間プロトトロピーが関与していることが示された。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)