Project/Area Number |
15034203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
嶽山 正二郎 東京大学, 物性研究所, 教授 (20163446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋本 良一 産業技術総合研究所, 光技術研究部門, 主任研究員 (30356349)
三野 弘文 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (40323430)
秋山 英文 東京大学, 物性研究所, 助教授 (40251491)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | タイプ II 量子構造 / 空間分離型電子正孔対 / 高密度励起状態 / 複合励起子 / 荷電励起子 / 励起子分子 / 空間分解発光スペクトル / 励起子ポリマー |
Research Abstract |
ZnSe/BeTe、CdS/ZnSeで構成された電子正孔分離型の量子多層構造を分子線エピタキシー法にて作成した。この系は、電子・正孔、それぞれに対する障壁ポテンシャルが他に例を見ないほど高く、それゆえ、電子・正孔の実空間波動関数重なりが皆無に近いことであり、単なる1励起状態である励起子光結合(発光など)はほぼ許されない状況が実現している。しかしながら、弱励起にもかかわらず強い発光が観測された。そこで、この系での励起状態を様々な分光手法-発光および発光励起スペクトルの励起強度依存性、偏光依存性、磁場、温度変化などによりあらゆる角度から検討した。強磁場磁気発光では、磁場による分散エネルギーシフトも観測された。その結果、単なる電子・正孔空間分離型励起子による発光ではなく、高密度な複合励起状態、すなはち、荷電励起子、励起子分子、あるいは、それらが相関した励起子ポリマーや凝縮相の可能性を示唆することができた。また、ミクロな界面情報を下に、V字型結合モードという特異な励起状態を発見し、その理解を示した。非対称多重量子構造では面垂直方向の相関ある発光現象の観測に成功した。また、ZnSe/BeTe系(対称、非対称)2重量子構造を作成し、その詳細を調べた。上記実験結果の妥当性を検討した。特に、変調電子ドープにも成功し、このユニークなタイプIIバンド構造での荷電励起子の実現と発光特性の理解を得ることができた。空間分解分光スペクトル測定の結果、500μm以上も空間伝播した発光とその特性を捕らえることに成功し、波数空間を使った発光、すなわち、荷電励起子以上の複合励起が実現していることが示された。また、量子光伝導測定からシュブニコフ・ド・ハース振動を捉え、フェルミ面形成が示された。
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