希薄磁性半導体の磁性と電子状態のモンテカルロ法による研究
Project/Area Number |
15034213
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
酒井 治 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (60005957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椎名 亮輔 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (30326011)
清水 幸弘 東北大学, 工学研究科, 講師 (70250727)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 磁性半導体 / モンテカルロ法 / スピングラス / アンダーソン局在 / RKKY模型 / 2重交換相互作用 / 磁気ポーラロン / 磁性合金 |
Research Abstract |
本課題の目的はモンテカルロ法を援用して希薄磁性半導体の電子状態と磁性の発現の特徴を解明することである。 希薄磁性半導体は、温度や外部磁場によるスピン状態の制御に応じて電子状態が大きな摂動をうけ、様々に性質を変え、応用上から注目されている。一方では、いくつかの物理的に重要な基本問題内包されている。希薄な磁性イオンの空間分布とスピン配位の温度揺らぎから生じる、電子の感じるポテンシャルの空間的な揺らぎが大きく、電子系は強い影響を受ける。電子系のエネルギーは、また、スピン系の有効エネルギーとして、スピン配位の出現確率にフィードバックする。アンダーソン局在とその状態の電子系のエネルギーを有効相互作用とするスピングラスの問題が関連して発現することになる。自縄自縛のマグネテックポーラロン状態の出現などが予想されている。本研究では電子にたいするポテンシャルの揺らぎを出来るだけ忠実に取りいれた計算を行い、空間的な揺らぎ効果が、磁性の発現にどのような影響を持つか調べた。当初はモンテカルロ法の適用を計画していたが、スピングラス問題に関連した準安定状態の出現が計算を困難にしていることが明らかになった。このため取り扱う系のサイズは小さなものに限定されるが、計算上の信頼性は保障されるように、すべてのスピン配位を数えて、熱統計平均をとる方法を適用した。 いくつかの磁性半導体で、磁気転移温度が高くなる理由として不純物バント形成による2重交換相互作用の機構が提唱されている。これらはCPAと分子場理論に基礎を置いている。しかし、揺らぎ効果を取り入れた今回の研究では、高い強磁性転移温度が得られるのは、不純物帯の形成される領域ではないことが明らかになった。 強磁性は、バント端に共鳴的な高状態密度領域があり、RKKY的な描像と二重交換相互作用描像の遷移領域に現われる。 その他の課題として、動的平均場法による磁性合金の磁性発現への電子相関効果、量子ドットにおけるスピンクロスオーバー領域のトンネル異常の理論の発展を行なった。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)