柔軟な多次元骨格に支えられた酵素様チャンネルを有する金属酵素モデルの合成
Project/Area Number |
15036227
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
近藤 満 静岡大学, 理学部, 助教授 (80254142)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 金属酵素様活性 / 多孔性構造 / 配位高分子 / 動的チャンネル / 小分子捕捉 / 物理的刺激 / 構造相転移 / 外場応答 |
Research Abstract |
光、温度、磁場、などの物理的刺激により、チャンネル構造が可逆的に変化する動的骨格は小分子の放出制御や高効率貯蔵、あるいはその空間を利用した不均一系触媒活性の制御、などにおいて優れた機能を発現できると期待される。本研究では、金属酵素が示すような柔軟な高分子骨格に支えられた動的チャンネルを有する配位高分子の合成を展開した。とくに、温度、及び特定の化学分子に応答してチャンネル構造を可逆的に変化させる動的配位高分子を世界で初めて合成することに成功し、その構造決定、及び機能評価を行った。具体的には、温度に応答してそのチャンネル構造を可逆的に変化させる動的配位高分子[Ni(dps)_2(NO_3)_2]・EtOH(dps=4,4'-dipyridylsulfide)の合成を行い、その構造決定と小分子の捕捉活性を明らかにした。この化合物は一次元構造を有し、それらの一次元鎖間に室温で約5x5Åの6角形型チャンネルを形成している。さらに、この骨格は温度に応答して可逆的な構造転移を起こし、-20℃以下の低温ではチャンネルは5×2+3×2ÅのT字型に変化することを見いだした。このような新しいチャンネル構造変化の発生メカニズムとして、1)低温相における2種類の一次元鎖の生成とその内の1種類の一次元鎖のスライド、さらに2)この構造変化に伴った隣接する鎖間の硝酸イオン間でのN【triple bond】O静電的相互作用の発生、そして、3)その静電的相互作用の結果生じる硝酸イオンの回転により、チャンネル構造が狭められることを明らかにした。炭素原子の直径は約3.4Åであるため、低温相ではゲスト分子の出入りが著しく抑制されることとなり、実際、この化合物はこの化合物はエタノールのようなゲスト分子を低温でメカニカルに捕捉する動的機能を有していることを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)